5・23 悪人に住みやすい国? (2016/05/22)
「今ビラーダをやってるよね」 「そうね。でもすごく危ないから行かないわ」 エレベーターに乗り合わせた黒人の中年女性が気のなさそうに言った。少しでもビラーダ・クルツラルのことを知りたくて聞いたのだがまったく関心がないようだった。 毎年行われている「ビラーダ・クルツラル」が今年もサンパウロのセントロを中心に約30か所に舞台が設置され行われている。サーカスやさまざまな音楽が演奏され、市を挙げてのイベントは非常に良い企画だと思うが、数年前から強盗に襲われる事件が激増した。大々的にその映像がTVに流された。それ以来多くの市民は、ビラーダ・クルツラルは危ない、と思っているようだ。なにしろ、数人で襲ってもちものすべてをもっていかれるのだから怖い。たくさんの警官が配備され巡回しているがそれでも危ない。僕自身も夜は写真を撮りにいく気にはとてもならない。去年は結構頑張って、いろんな場所に撮りにいったが、今年はちょうど他の仕事が入ったこともあり、日曜日の昼、少し廻った。 去年に比べ今年は、規模が縮小されているような気がする。ただ人出は思った以上にあり、危なそうな雰囲気はない。皆、地図を片手にカップルやグループで聞きたい音楽の舞台を廻っていた。夜はわからないが、昼間は危ない感じはしない。そうは言っても油断はできない。こういう人が集まる場所には携帯や財布を狙ってスリが多い。特にボリビア人やコロンビア人などの近隣諸国のから越境してくるスリが多い。ブラジル人の強盗は、銃や刃物で脅して暴力的に襲ってくるが、外国人はほとんどがスリや置き引きであるから、まだかわいい。しかし、気が付かないちとはいえ、持ち物を盗まれたら腹が立つ。 近隣諸国はもとより、各国のマフィア、アフリカの元海賊、スリなど世界中の悪人たちが近年ブラジルに集まってきているような感じがする。オリンピックもあるし、ブラジルは悪人にとって入国しやすく住みやすい国のだろう。
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