6・10 へらっ (2016/06/09)
TVニュースで50歳の路上生活男性が子供にいたずらをした、というニュースを見て、先日のこと思い出した。 メルカードの帰りで、両手に1週間分の果物と肉魚を下げてメルカードから帰っていた。アニャンガバウーのターミナルの入り口に来たところで、溜まっている路上生活の男の一人に声をかけられた。 「ジャポネース、そのバナナを1本くれよ」 その男は目ざとく、ビニールに入ったバナナを見ていたのだ。ほんの一瞬迷ったが、そのまま無視をして通り過ぎた。というのは、5,6人の男がいるから、俺にもくれ、と次から次へと欲しがるだろうし、他の荷物を地面におくとさっと盗んで逃げられる可能性があるからだ。安いバナナを数本やるくらいいいじゃないかと思ったが他のものを盗まれる可能性が瞬時に思いついたので止めたのだ。しかし、考えすぎのような気がしないでもない。そんな心配性な自分が嫌になったが、ついこの間、レンズを盗まれたばかりだし、毎日ニュースを見ているとどうしても過敏になってしまう。おそらく気さくにみんなにバナナをやれば喜ばれるだろうし、今後この道を通るときにも悪い事はされないだろうとは思う。しかし、その時は持ち物を守る考えがまさった。こういう気持ちが、相手に余計盗んでやろうという気を起させるのかもしれない。 完全に通り過ぎたところで「ジャポネース!!」と男が脅すように声を荒げた。この声を聴いて、逆にキレた。脅されたりすると余計にむっとするのだ。絶対やらない。そう思った。脅されて従うほど素直な性格ではないのだ。 今までさほど強盗やスリにやられなかったのは臆病な性格と過剰なほどの注意のおかげがあると思う。必ず一眼レフカメラを携帯しているから仕方がないのではあるが。最近は近づいてくる見知らぬ子供や女性も信用できなくなっている。そんな自分が嫌になる。たとえモノを盗られてもへらっと笑って気にしないくらいの大きな気持ちをもつようにしたいが、そのような気持ちになるにはなか難しい。
 | 1匹死んでしまった。全部成長できるとは思っていないが悲しい |
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