近頃、夜な夜な口が寂しくなる。甘いものを食べたくなるが、そんなものはウチには一切ないので我慢するしかない。そんなとき、ごそごそ棚を探して見つけたのがサイトに書こうと思って買っていた丸干しバナナである。 　はっきり言っておいしくない。妙にパサパサしているにもかかわらず、スジスジネッチリという感じがする。だいたい僕は干し柿など果物の干し物が苦手なのだ。しかし、口寂しさに負けてつい１本、コーヒーを飲みながら食べてしまった。甘さは控えめだし、まずいとは言ってもめちゃくちゃまずいというほどではない、それにいかにも身体によさそうだ。パクパク食べ切れた。 もともとバナナはあまり好きではない。学生時代、金が苦しくなると、いつも、安いばななと納豆ばかり食べていたせいだろう。ブラジルでは安くておいしい果物として１位の人気を誇るらしいが、僕はあまり食べない。 このまずさがちょうどいい。１本以上食べたくならないからだ。もしチョコレートでもあれば、全部食べきらないと気が済まない。だから、チョコレートは買わないようにしている。 普段は何でも喜んで食べる犬たちにやっても、雌犬サクラ以外は顔を背けて食べようとしない。やはりおいしくないのだろう。 丸干しバナナはおいしくないけど、口が寂しいときに、ぴったりの食品と言える

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