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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
8・20 肥満の増えたブラジル人 [画像を表示]

8・20 肥満の増えたブラジル人 (2016/08/19)  約束の時間に遅れそうになり、小走りで約束場所に向かっていた。前方に小象のような尻をした3人組の女性が、道いっぱいになって話しながら歩いている。太い太ももをこすり、デカ尻をふりながら、ほとんどよちよち歩きで歩ある。
心の中で「速く行けよ!」と叫ぶ。結局脇によるようなそぶりも見せないので、車道に入って抜かす。もともとブラジル人は他人のことなんか考えないので道いっぱいに歩く傾向がある。4人でも5人でも道いっぱい横一列になって歩くのだ。他のブラジル人はどうしているのか見ると、彼らをうまくよけて通り過ぎている。僕の場合は、正面の場合は避けることなく一直線に歩いて、相手を避けさせる。相手の後ろに出くわした場合は、一応「コン・リセンサ(失礼)」と言ってよけさせるか、車道から抜かす。その時の気分である。
「なんてブラジル人は民度が低いのだ!」と思っていたら、日本の海上自衛隊の兵士がリベルダーデに来ていた時、最下級の兵士は道いっぱいになって歩いていた。まさにブラジル人と同じだ。興味深いことに白い軍服を着た上級兵士は数人で歩いても道いっぱいになって歩くことなく、脇を他人が通れるようにスペースを開けて歩いていた。この時わかった。国の民度もあるだろうが、どちらかというと人間のレベルだったのだ。レベルの高い人間は、ちゃんと人の迷惑を考えることができるのだ。結局、民度に直結するのだろうが、人間的レベルの低い人間はどこの国も同じなのである。ただ、ブラジルの場合は80%の人間は教育・道徳レベルが低いと思う。
 2000年あたりから、太ったブラジル人は急激に増えた。テレビニュースによると国民の50%以上が肥満気味らしい。面白いことに、恋人に痩せたのと太ったのと、どちらを選ぶかと言うと太った方を選ぶという。僕もブラジルにいる間に、すっかりデブ(日本で言うとデブになるかもしれないがこちらでは普通。多くの日本人はこちらで言うと痩せていることになる)選になってしまった。日本風に言うとふっくらしている女性が好みになった。
 これだけデブが増えた原因には、食の変化の影響が大きい。欧米のファーストフード食文化がどんどん侵入しハンバガーやフライドポテトなどが増えに増えた。ブラジル食のフェジョン(煮豆)にごはんに肉にサラダというのは栄養バランスが良いらしいのだが、今の若者はファーストフードを好むらしい。日本と同じだ。もともと白人系の人が多いからぶくぶく太る。
 僕は日本にいるころから、夏痩せをするような痩せタイプの人間だから、太る苦しみを理解できない。知人などは「水を飲んでも太る」と嘆いていたし、おばちゃんに「痩せたね」というと嬉しそうに「ありがとう」と言われて、そんなつもりでいったのではなかったので逆に驚くことがしばしばである。今日もバスでデブ女性に出くわし、ついその行動に見とれてしまった。改札?を通れないくらいの太った女性が、料金だけ払って前の入り口から降りていった。思わず、大変だな、と同情してしまった。道をふさぐように歩くデブ女性に腹を立ててしまったが、どうやってもぶくぶく太っていく自分の身体を見ると本当に悲しいと思う。はらはらとぬけていく自分の髪を見るのと同じ悲しみだろう。

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