移民百年祭 Site map 移民史 翻訳
南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
9・6 どうなるブラジル? [画像を表示]

9・6 どうなるブラジル? (2016/09/05)  魚を1キロ、売り子の兄ちゃんに頼むと、オドオドして「1キロって何匹くらい」なんて言うことを他の売り子にきいている。変だなと思い、聞くと今日が仕事初めだという。
「ここの前はイベント関係の仕事をしていたんだけど首になって、6か月ぶりにやっとこの仕事をつかんだのさ」
 はにかみながら笑った。白人系のさっぱりとした青年である。
「それは良かったね! そんなに長い間失業していたの! それは大変だったね。家族はいるの?」
「いるよ。でも子供はまだいないよ。失業中は親父が助けてくれてね。助かった」
そう言ってにっこり笑った。
 そういえば、魚屋の白い服がまだ似合っていない。
 ブラジルは去年あたりから経済危機と言われ、バタバタと多くの中小企業が潰れている。サンパウロのセントロでも店がずいぶん潰れ、シャッターを下ろしたままの店舗がずいぶん増えた。失業者は全国に120万人以上いるらしい。オリンピックも終わったし、今後リオを中心にますます失業者が出て不景気になると思っていた。ところが、今朝のニュースによると少しずつよくなっているとのニュースが流れていた。信じられない。日本もブラジルもマスコミは信じられないから、真実はどうなのかわからない。サンパウロのセントロを見る限りでは、シャッターを下ろした商店が増え、どの店もバーゲンや安売りをしている店が多い。本当に良くなっているのであれば、それは嬉しいことであるが、それはたとえあったとしても一部のわずかな店ではないだろうか? 今日から銀行職員が6%の給料値上げ要求し全国の銀行がストを行っているし、バスやメトロの職員の右に倣えで、ちかぢかのうちにストが行われるだろう。良くなる要素は僕には見えない。良くなるどころか、むしろ悪くなると思っている。
政治家や企業社長の不正が暴かれ、政界、経済界の綻びがどんどんでている。しかし、下院の元議長などは何億という不正が暴かれているにもかかわらず、法律を熟知する元議長はするりするりと逃げ回り、一向に逮捕されるようすも、お金を返す様子もみられない。元大統領も大統領時代に家族ぐるみで不正にお金を得ているにもかかわらず一向につかまらない。
今までは政治家や企業家は国民の年金や税金のお金を知らない間に吸い取り、ひだりうちわの生活をしていたが、情報があっという間に流れる時代になり、国民は多くのことを知り得るようになり簡単にはだまされなくなった。今、新大統領の退陣要求デモなどは毎週のように行われ、どんどんデモに参加する人が増えているし、もし元議長や元大統領が逃げ切ることになったら、国は荒れに荒れるだろう。インフレが再燃し国民は苦しい生活を強いられているだけに、今度ばかりは簡単に逃げ切れない。

DSC_2824.jpg
メルカードの魚屋。

 


前のページへ / 上へ / 次のページへ

楮佐古晶章 :  
E-mail: Click here
© Copyright 2024 楮佐古晶章. All rights reserved.