9・29セントロ探索 (2016/09/28)
普段はめったに歩かないサン・ジョン大通りとリオ・ブランコ大通りの間を歩く。しばらく歩いていない間に随分と様変わりをしていた。前回行った時には、アフリカ人などほとんど見受けられなかったのに、暇そうに佇んでいるアフリカ人がごろごろいた。ハイチ人も見た目はアフリカ人と同じなので僕には見分けがつかないが、以前からセントロにはアフリカ人が多かったのでアフリカ人だと思う。ちょっとその通りを通り抜けるのを躊躇したほどである。白人も、モレーノ(黒人と白人の混血)もほとんどいない。 セントロの人通りの多い所で路上販売をしているアフリカ人は、皆こぎれいな服をきてシューズを履いて結構おしゃれである。しかし、ここにいるアフリカ人は、ビーチサンダルを履き、麻薬で別の世界に入り込んでいるのか、道路わきで建物に背もたれ、ぼーっとした人間が多い。服装も小ぎれいとは言い難い。その通りに入ったことを後悔した。ちょうどその時、1台の小型トラックがきたので、その後ろについて通り抜けた。 そこにいる人間の表情といい、雰囲気といい、薄汚れた建物といい、被写体として魅力的である。しかし、こんなところでカメラを出そうものなら、袋にされ、持ち物はすべて盗まれるだろう。警察はまったく通りそうな場所ではないから、救われる可能性はゼロである。ただでさえ、ブラジルにいるアフリカ人は写真を撮ることを嫌う。今まで写真を撮らせて頼んだすべてのアフリカ人には冷たく顔を横に振られた。よっぽど良いコーディネーターを雇うか、親しいアミーゴにならない限りは写真を撮ることは不可能である。目に焼き付けておくことが精いっぱいであった。 どんよりと暗いその場所にいると、今までセントロの雰囲気が悪いと思っていた場所が随分明るく感じる。その場所から出たとき、日陰から日の当たる場所に出てきたような気がした。 ただ、誰も僕を注視してなかったし、トラックのおかげで怖いという印象はさほどなかった。一人だったことと僕の恰好が綺麗な服装とはいいがたかったからだろう。以前から危ない場所だと言われるところだけに、もしかしたら、自分で勝手におどろおどろしいイメージを作り上げていただけかもしれない。
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