10・18 年に1度のアジ (2016/10/17)
メルカードに行くと、魚屋の友達がガラスケースを指さして、「今日はいいのが入っているよ」という。「今年初めて、1年に1,2回しか入荷しないよ」 見ると、通常のアジの2倍ほどの巨大なアジがガラスケースの一角を占拠していた。むむむむ・・・・。最近金のかかることばかりだし、ここで無駄遣いはできない。 聞くと1キロ22レアル(約600円)。そんなに高くないが、1匹2キロほどあるだろうから44レアルは越える。とりあえず、重さを測ってもらうことにした。 「一番小さいの?」 「うん、どれくらいあるかな~」 「・・・・・・」 「ちょうど2キロぐらい。皮剥ぐ?」 「刺身用におろしてよ。頭も骨もいらないからね」 買うとは言っていなかったのだが・・・・。まっ、いいか。最近、節約につぐ節約で、節約に疲れていたこともある。つい気が大きくなって、いいよ、と言ってしまった。一人で食べるには、量的にも少し多い。あ~、これで2日間は毎食アジの刺身である。小さな頃から新鮮な刺身を食べて育ったおかげで、毎食刺身でも飽きることはないのだが・・・・。 「脂がたっぷりのっているよ。トロだよ」 つい勢いがついてしまい、さらにチーズも購入する。牛乳が干ばつで値上がりして以来購入していなかったのだ。購入したのは、日本風に言うと、フレッシュチーズ。ブラジル風に言うとミナスチーズ。8.5レアル。 早速家に帰って、朝食にアジを切った。確かに脂がのっている。口にいれると、マグロの中トロのような、ねっちりとした食感に、しつこくない程度の脂が口中に広がる。アジというよりはマグロと自然のブリの中間に近い感じがする。今まで食べたアジで一番おいしいかもしれない。ブラジルで食べたアジの中では確実に一番である。これほど脂がのったアジは日本でもそうそうないのではないだろうか。自分で切ったものでなくプロの職人がそこそこ薄く切ったものであればもっとおいしいだろう。帰国するたびに、故郷の高知で刺身を食べるが僕には厚すぎる。妹に言わせると普通らしいが・・・。あまり厚すぎない刺身が僕には好みなのだ。毎日新鮮な刺身をたっぷり食べる高知の人には厚くないと刺身の味がしないのかもしれない。 チーズは豆腐のようにあっさりとしていて、味も素っ気もないようなものだった。ジャムやハチミツをつけて食べればおいしいと思う。 この頃、既成の「出汁の素」化学調味料を使うのがちょっと嫌になってきていたので、頭と骨を出しを取るために貰 ってくれば良かったと少し後悔した。これほど脂がのっていれば、きっと良い出汁が出たであろう。
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