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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
10・29 がっかり [画像を表示]

10・29 がっかり (2016/10/29) 早朝(朝7時)にオルガニック市に行って買い物を終えていたが、サンパウロでのオルガニック人気を見たくて、市が開かれているというメルカード・ムニンシパルに行った。僕が行っているアグアブランカ公園とはくらべものにならないくらい小さく、4つの台で売られているだけであった。客もほとんどいなかったが、一応、売れ具合を聞いてみると、そこ売れているとのこと。ここに来る客は中国人やブラジル庶民が多く、それほどオルガニック野菜には関心がないように見受けられた
 帰りに、いつも買うおじさんのテントを見て見ると、果物は良いものが見当たらない。帰りかけたところに、以前やきとうもろこしをもらったおばちゃんが、今日はヤシの実を売っていることに気が付いた。
 別にヤシの実ジュースを飲みたいわけではなかったが、この前のお礼に、と思い値段をきかずに、「1個ちょうだい」と言ってしまった。渡されて、「4レアルね」と言われて驚いた。この辺では2~3レアルが普通の値段である。4レアル(130円ほど)なんて見たこともない。「えっ」と驚いた。もうストローを通す穴をあけているから、いらない、とも言えない。ぼられた、と思いちょっとかっとなって、「高いんじゃない。このあたりでは2レアルで売っているよ。仕入れるところもすぐそこじゃないか」毎日、面白い情報を探してセントロ地区を中心に歩き回っいるから、この辺のことはブラジル人以上に知っている。だいたい、こんなところで4レアルで売れるわけがない。この通りを歩く人間は下流クラスの人間である。100mも歩けば半値の2レアルで売っている。絶対おかしい。そういうと、おばさんは平然と「特別なヤシの実」だからという。金が惜しいというよりは、外国人だから高く売ってやろう、という気持ちが気に食わなかった。「今日は、土曜日だから、この値段なのかな? 普段もこの値段?」土曜日だからこの値段だ、と彼女が言うことを願いながら聞いたが、彼女は「普段もこの値段よ」という。
 一度、かっかした気持ちは収まらず、「どうせ、もう2度と買わないからいいけどね。けれど高すぎるよ。こんなところで4レアルなんて。パウリスタ通りならわかるけどね」
 「このヤシは新鮮なものを選んで買っているから高いんのよ・・・、ヘタを見てよ、緑でしょう。緑のものは新鮮なの。実の先っぽまで緑でしょう。新鮮なのよ」
 話しているうちにやっと、カッカした気持ちは少し収まり、「たった1~2レアル高いだけだしいいじゃないか、もう、どうせ2度と買わないんだし、前の焼きトウモロコシのお礼と考えればいいさ」という考えになっていた。お金自体は大した金額でもないのでどうでもいいのだが、以前親切にしてもらい信用していたおばさんに、外国人だと思われてボラレた、という腹立たしい気持ちは心底でブスブスくすぶっていた。おそらく90%おばさんはぼっているだろう。なにしろ、たとえどんなに新鮮なものであろうと、この通り通る人は、4レアルも出してヤシの実を絶対対誰も買わない。100mも行けば2レアルで売っているのだから。そう、思うと少し悲しかった。がっかりした。でも、これがブラジルなのである。金のとれる奴からはふっかけて取る、それが普通であり当然なのである。帰りに2レアルで売っているヤシの実を確かめると、おばさんの言う鮮度の目安のヘタはどれも緑だった。しかし、ヤシの実には傷がたくさんあって、何個かは先が黒いものもあった。しかし、飲むのは中身だし、もし腐っていたら、その場で突き返せば他に交換してくれるだろう。考えれば、考えるほど、おばさんにがっかりするので、もうそれ以上考えるのをよした。
 教訓、腹を建てたり、がっかりしたくなかったら、たとえ知り合いでも、モノを買うときはかならず値段を聞くこと! 

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ヘタが緑だと新鮮らしい。本当か?


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