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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
1・25 犬、帰る [画像を表示]

1・25 犬、帰る (2017/01/24) 息子の要望で、うちに来ていた2匹の夫婦犬を返した。約5か月いた2匹の犬ともすっかり僕の生活に適応し、僕も彼らとの生活なじみ始めたところであった。そんな時に息子からの返還願いだった。望んで犬たちを引き取ったわけではなかったが、1日の散歩から夜の餌までルーチンがほぼできあがり、4匹の犬たちとの生活も快適なものになりつつあった。犬たちもそれに慣れ、煩く吠えたり、いたずらをしたりしなくなったし、決まったトイレ場所も覚えた。
 2匹がきたばかりの頃は、元からいる2匹の犬たちと喧嘩が絶えなかったし、糞尿のあまりの多さに慄いた。2匹とも柴犬ほどあるからその量は半端ではない。それまでの2倍半は増えていた。犬の匂いにも近所に気を使い、防臭剤を部屋におき、毎日、床の拭き掃除をしなければならなかった。そんな苦労が、彼らがいなくなると蘇ってきた。
息子に贈った犬だから、それを断る理由もなかった。しかし、2匹が急にいなくなると、家の中が広くなり物足りなく感じた。残った2匹の犬も寂しそうである。まるでワサビなしの寿司のような物足りなさを感じる 
夜に息子のアパートに行くと、犬たち迎えてくれた。しかし、元いた家に、あっという間に馴染でしまい、5か月もいなかったことは忘れてしまったようにくつろいでいた。帰りも雄犬サスケはちょっと離れて見送ってくれたが、雌犬サクラはさっさと部屋に入ってしまった。多くのブラジルの犬はこんなものなのであろう。飼い主が変わってもさっさと元の飼い主のことは忘れてしまうのだと思う。忠犬ハチのような犬は少ないのだろう。 「一宿一飯の恩義」なんて今のブラジル犬に求めるのが間違っているのかもしれない。もっとも、それは僕のかってな願望ではあるし、犬の側からすれば、人間の都合であっちに連れて行かれたり、こっちに連れていかれたり。その場所に適応していくのは当然である。結局お互いさまか・・・

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