やっと冷蔵庫を買った。もっとも,支払いは分割カード払をしたが、冷蔵庫はまだアパートには来ていない。 　魚や野菜を買に行くたびに「まだ買ってないの！」と驚かれたものだ。２，３週間前には買う気でいたのだが、僕の欲しいメーカーはないし、それではと第二希望に落としたが、そのメーカーの欲しい機種もストックがなかった。3週間を過ぎあたりから、冷蔵庫がない生活にもすっかり慣れ、もういっそのこと冷蔵庫なしの生活にしようか、と思ったものだ。電気代は安くなるし、無駄な肉や野菜は買わなくなる。早く食べないと腐るので、早い目早い目に食べる癖がついたし、肉や魚は買ってすぐ料理をしておくようになった。もともと便利な生活には大したあこがれもないし、不便なくらいが面白い。冷蔵庫がある頃は、面倒くさくて少しずつし料理しなかったが、早く料理しないと、この暑さでは途端に悪くなるので、イヤイヤでも料理するようになった。 　何故か冷蔵庫を買う気になり、小雨降る天気の中を電気屋に行った。そのままするすると購入してしまった。しかし、なんとなく住所が気がかりで、散歩をする道すがら見直すと、案の定道路番号とアパート番号を間違えて記入されていた。改めて、書類を書き直してもらった。以前だとあたふたしたかもしれないが、もうこれくらいの間違いは慣れっこになってしまった。ブラジルでは、本当に間違いが多い。書類に記入した男は「話しかけても大丈夫だよ、僕らは、２つのことを一緒にやるのに慣れているから・・・」と言っていたものだが、やはり駄目であった。端から信用していなかったから、できるだけコンピュータに入力している際には話しかけないようにしていたのだが・・・・。やはりブラジル人の能力は信用できない。昔から、「ブラジル人に２つのことを同時に頼んでもできない」というのは有名な話であるが、その話はまだ有効なのである。

前のページへ / 上へ / 次のページへ