4・19 食の関心 (2017/04/18)
頼みもしないのに、路上売りのおじさんが、買おうかどうしようか迷っている僕の決断を越えて、ビニール袋にアボガドを入れ始めた。完全に行き過ぎの行為であるが、どうもこのおじさんは憎みきれない。もし他の人間だったら、例え1レアルの商品でも断固として断っただろう。 「いいよ。いいよ。買うよ。アボガドはあまり好きじゃないけど。健康にいいからね」 「えっ、健康?!」 おじさんの手がぴくりととまった。おそらく多くのブラジル一般庶民は、健康のために、体のために食べるという感覚はあまりないのではないのだろうか? 食べたいから食べる、おいしいから食べる、というのが普通なのであろう。それでも最近は太らないように、軽いものを食べる、という感覚はでてきたと思う。そのせいで、日本食は低カロリーの太らない料理としてブラジルでは受けている。 僕は、さほど食べるということにたいして関心がないので、おいしいから、というよりは、ビタミンが豊富で健康にいいものを食べるようにしたいと思っている。とにかく病気になって辛い思いをするのが嫌なのだ。健康のためなら少々嫌いなものでも食べるし、食べすぎたりしないように心がける。だいたい食べることに対して興味がないのだ。時々食べるのが面倒くさくなることさえある。真においしいものを食べる喜びをしらないのだろう。たばこは全然吸わないし、人に勧められない限り酒も飲まない。ストレスが一般の人に比べ少ないのかもしれない。 パーティなどに行って、何も食べないでいると、よく食べろ、食べろと勧められる。別に遠慮しているわけでもなく食べたくないのだ。食べたこともないモノがあると進んで食べるのだが、今までパーティに行って食べたいと思ったものは、アラブ料理の、一流シェフが作ったという料理くらいだ。あと、田舎の日本人コロニアで、日本の故郷が懐かしくなるような、煮物や巻きずし。 お金を出せば、おいしい肉にしろ、料理にしろ、いくらでも食べたくなるものはあるのだろうがそこまで出す金もないし、その気もない。やはり、食に対して関心がうすいのが一番の問題なのだろう
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