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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
4.27薬屋で

4.27薬屋で (2017/04/26)  血圧降下剤が無くなったので、薬局に買に行った。たまには、別の店で買おうかと思い、友達が安いと言っていた店に入った。できるだけいろんな店を開拓したいという気まぐれな気持ちがおきたのだ。
 店に行くと、お客はまあまあいたので、安いは安いのだろう。そう思って店内をみまわしていると、薬売り担当の男が「お手伝いしましょうか」と声をかけてきたので、欲しい薬名を言った。彼はその薬をもってくると、顔を近づけて声を潜めるように、3つ買うと薬を安くできる、という。毎月毎月買うのは面倒くさいので最低でも2つは買おうと思っていたから、「いくら」と聞いた。ただ、そのこそこそ話をするような言い方が気にかかった。
「正価の半額にできるよ」という。僕が買う店より1レアルほど安い。それで買うことにした。安いからというよりは、他の店にいくのが面倒くさかっただけである。レジに行こうとすると、その男が、追いすがるようにきて、「オメガ3が、今安いよ。2つ買うともっと安くなる」という。血圧の薬でさものみたくないのに、さらにブラジル製の薬なんてましてやである。「金がないから」といっているのに「じゃ~カードで」という。これは、言われるがままに金を出す良い客だと思われてしまったのかもしれない。「カードもっていないんだ。使わないからね」という、とうらめしそうな顔をしてさすがに諦めた。あまりのしつこさに、こころの中で、「最初のひそひそ話といい、こいつアホじゃないの」と思ってしまった。
 僕は、カード支払いをするときは、長年いきつけの信用のおける店しか使わない。カードがクーロン化されたり、情報が抜き取られたり、2重払いさせられる心配のある店がいくらでも普通にあるからである。
 レジでお金を払おうとすると、さっきの男が言った金とことなり1個につき5レアルほど高かった。カチンときた。「担当してくれた男もっと安いといったけど」というと、「会員になったら安くなります」という。「必要なものはあるの?」「電話番号と名前だけです」一瞬考えた。というのも、去年あたりから、1日10件以上も詐欺電話や迷惑電話がかかってきているのだ。おそらく今年の初め冷蔵庫を買った時に記入した電話番号などの情報が外部に漏れているのだろう。ここブラジルでは、個人データーなどあってないに等しいのだ。DVDに漏れた情報がリストになって売られている。
「いや入らないけど、担当の男の言った値段と違う!」というと、レジの男は担当の男を呼ぼうとした。この店で買う気がすっかり失せてしまい、「もう、いいよ。買わない」そう言って商品を突き返した。
 薬をうりつけた男は、僕が何も考えずにお金をはらうと思ったのであろうか? その可能性は十分あると思うが、突き返されるリスクを考えるとそんなことをするだろうか? おそらくあの感じから見ると、売った薬の数%が男の懐に入ると思われる。ブラジル人は日本人のように細かく計算しないで、ポイと金をだす人間もおおいのだろう。その場しのぎの金稼ぎを狙ったのかもしれない。 


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