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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
6・14 ノルデステの旅

6・14 ノルデステの旅 (2017/06/13)  また、ピエロの演劇グループとアラゴアス州の旅。皆、陽気な奴らばかりであるから、時々腹立たしいこともあったが、楽しい旅であった。
 サンパウロのコンゴニアス国内空港で5日ぶりに会うと、前回の旅で、知らない間に仲間意識ができあがっていて、会うのが懐かしかった。再開の握手やハグに力がこもった。
 アラゴアス州の州都マセイオの国際空港につくと、マイクロバス2台が待ち受けていて荷物を一台に積み込み、もう一台にグループが乗った。マセイオについたのは4時半を過ぎていて、大分日も傾いていた。ノルデステの日暮れは早い。この空港には以前に何度か来たことがあるのだが、ほとんど記憶に残っていなかった。ノルデステの空港はどこも同じような感じであるせいかもしれない。
 マセイオからさらに公演予定のアピアラカ市まで3時間ほどかけて行くことになっている。途中、運転手の荒い運転が気にかかった。カーブでもほとんど速度を緩めないし、追い抜きもばんばんしていく。この運転手は危ないな、と思っていると、皆が話している中に、急に割り込んできた。今まで、何度か、運転手を頼んだことがあるが、お客の話に割り込んでくるような運転手は初めてである。黙って運転に集中しろ! と思っていると、自分が69歳で未だに現役で仕事をしていることを、威張ったように話し始めた。69歳で自分のためや、家族のために運転するのは勝手であるが、金をもらって人を運ぶような仕事はやめろ、と言いたかった。年をとると、暗いと見えづらくなるのは、自然の摂理であるから、人をつんでの暗い中での運転はもっての他である。さらに運転は荒いし、追い抜きはするは、で怖かった。
 グループの一人が、車中が冷たいので冷房を止めて、と2回頼んだが、止めるふりをして、温度をちょっと下げただけのようだった。歳で頭は固いし、妙に威張っているし、ノルデスチ典型のような爺さんであった。もし、僕が頼んだ運転手だったら、即刻クビか、かなり強く文句をいったと思う。しかし、このグループにはプロデューサーがきちんといたから、あえて余計なことは言わなかった。プロデューサーもカリカリきていたようで、声の調子で我慢していることが解った。
 途中、シュラスカリアによったが、運転手がプロデューサーのいうように行かず、何度も同じところを周る羽目になった。ジジイは早く引退しろ、と思ったし、現役で働くにしても人の命を預かるような仕事はするべきではない、と強く思った 。自分自身も、人の迷惑を考えて引き際は考えなければ、と思ってしまった。


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