移民百年祭 Site map 移民史 翻訳
南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
7・13 殺伐としてきた町 [全画像を表示]

7・13 殺伐としてきた町 (2017/07/12) 夕の散歩から帰ってきて驚いた。FBをざっと見ていると、ルーラ元大統領が汚職増和事件で有罪判決になった、という記事が投稿されていたからだ。現大統領も同じだが、ぬらりくらりと逮捕を回避していたのが、やっと有罪になったのである。
 この元大統領を実際に見たこともあるが、しゃべり方といい、顔といい、どうも肌に合わなかった。貧しい人々の味方のようないいながら、自分はしっかり汚職贈賄をしていて外国に隠し預金をしていた(マスコミの情報では)。好きになれない政治家である。
ブラジルのマスコミも日本のマスコミ以上に信用できないし、裁判所もイマイチ信用しきれないところがあるから、この可決についての真偽は僕にはわからない。
有罪が可決しているにも関わらず2018年の大統領選には立候補できるらしい。ネットにああだこうだと書いてあったが、読むのが面倒くさくなってやめた。結局、ブラジルは金と権力があればたいていのことはごまかせるしできるのだ。それには、金の亡者と化した弁護士が、法をさまざまに解釈し逃げ道を政治家に耳打ちする。「この国を悪くしたのは、政治家と弁護士だ」と友人が言ったが、加担していることは確かである。いくばくの差はあれ、当然日本も同じことだろう。最近の日本のニュースを見ていると特にそんな感じがする。

セントロでは、市議会場の建物前で、学生の公共交通機関フリーパス縮小に抗議するデモが行われていた。200人ほどの学生が集まっているくらいなのに、周囲には、びっくりするくらいの警官が集まり、パトカーの赤いランプが薄暗くなり始めた夕暮れの中で威圧的に回っていた。ドリア市長が力ずくかつ高圧的に抑え込もうとしている姿勢を強く感じた。
ドリア市長は、街をきれいにするためといい、カラコランジャ(麻薬常習者が集まっていた地)を一掃し、落書きをどんどん消していく。一掃されたために常習者は町に拡散し路上生活者がいたるところでごろごろするようになった。同じようなことは前にもあったから、こうなることは解っていたはずである。落書きを消したところは緑化されたところもあるが、灰色に塗られた壁がむき出しになっているところが多い。
 町全体が殺伐としてきた感じがする。おそらく、街をきれいにするためにかかる費用を捻出するために、しわ寄せが学生にきたのだろう。ひとつを立てれば、もうひとつが立たない、そんな感じである。気持ちは解るが、一挙に急にやろうとすれば、至る所で問題が発生するのは当然である。

DSC_8883.jpg


DSC_8878.jpg


前のページへ / 上へ / 次のページへ

楮佐古晶章 :  
E-mail: Click here
© Copyright 2024 楮佐古晶章. All rights reserved.