7・17 難しい時代 (2017/07/16)
はっきり言って、モノを書くのは嫌いである。 小さい頃から読書感想文や作文を書くのは苦手であった。書くのは嫌いであったが、読むのは好きで、幼稚園ころから家にあった世界全集を読んでいたような記憶がある。それは、置いてあった廃材の上で遊んでいるうちに落ちてしまい怪我をして長期間家で過ごさなければならなくなったためだ。そのおかげか、読書は僕の趣味になった。 書くことは、ブラジルの邦字雑誌社で働くようになり、毎月ひいひい言いながらながら記事を書いたのが本格的な書くことのはじまりだったような気がする。いや、よ~く、考えてみると、日本で広告代理店働いている頃、リゾーチやワインについて書かされた記憶がある。今考えると、書くのが嫌いなクセに、書いたり写真を撮る世界に足をつっこんだことが不思議だ。書くことは好きではないが、いろいろな所に行ったり、珍しいものを見たり聞いたりするのが好きだったからであろう。 このブログも友人に勧められてたまたま書き始めた。僕自身こんなに長く書き続けることは思ってもみなかった。勧めてくれた友達もすぐ止めてしまうと思っていたらしい。最初は、3日坊主で終わると思っていた。3日坊主でも、3日坊主を何回も続ければいいじゃないかという軽い気持ちであった。いつでも辞めようと思っていた。 書いているうちに、少しずつ読んでくれる人が増え、だんだん辞めるに辞められなくなった。ちょうどその頃は、日本からの記事の依頼が多く、受けた記事を書く文章練習にちょうどいいと思っていた。 今では、あれほど書くことに苦労していたのに、方針が決まれば昔ほど苦労せず文章を書けるようになった。時間も随分短縮できるようになった。せっかく文章をさほど苦労せずにかけるようになったのに、日本の出版業界が急激に落ち込み、次々と雑誌が廃刊になり、以前の仕事を回してくれた人がどんどんリストラにあった。そのおかげで記事依頼の仕事が減った。さらに今は誰もがブログを書いたり写真を撮ったりする時代で、皆、綺麗でスマートな文章を書くようになった。旅行に行ったり、駐在の人に頼めば、格安で執筆を頼めるから、僕の様な人間にわざわざ頼む必要はないのである。芥川賞を取った小説家がその後おちぶれてしまうような時代であるから、僕の様な、この世界の端っこでやっと生計を立てていたような人間はましてやであろう
 | 今日も快晴。自分がどんな状態であろうと嫌でも日は過ぎて行く |
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