8・11 ブラジルに軽い兆しは見えない (2017/08/10)
久しぶりにパウリスタ大通りを歩くと、路上生活者の多いこと多いこと。バス停わきでは小さな子供を3人抱いて座った母親がお金を乞うていた(この子供たちは借りた子供という説もある?)。小さな広場には路上生活者数人がたむろしてちょっと通るのをためらうほどである。路上生活者が増えて、通行の邪魔を気にせずわが物顔にしていたので、腹立たしさを覚え、路上生活者がたむろっている広場に入り、わざと彼らが寝そべっているすぐ脇を通った。すると、1匹の黒犬が僕についている犬の匂いを嗅いで興味を持ったのかのこのこついてきた。ついてきていることは知っていたが、狂犬病が危ないので関わらずそのまま無視して歩き続けた。 まったくよせばいいのに! である。気が小さい上に、喧嘩も弱いのに、わざと挑発するようなことをするなんてバカである。広場を通り過ぎた後、パウリスタ大通りを歩いていると頭が冷めてきて反省した。 決して、路上生活者を差別するつもりはない。しかし、多くの彼らはあまりにも傍若無人過ぎる。歩道に足を目いっぱい伸ばして横たわり歩道の半分を占拠していたり、建物の軒下で寝、ゴミチリだらけにし、そのあげく小便をしていく奴がいたりする。その上、彼らの中には麻薬常習も多く、麻薬が切れると強盗に早変わりする奴もいる。 路上生活者が町にあふれるようになり、「路上生活をする」ということに対して恥ずかしさを感じなくなっている人が多くなっているのだろう。それこそ、「皆で路上生活すれば恥ずかしくない」である。 サンパウロで一番有名なビジネス街がこんな状態だから、今のブラジルがいかに荒れているかわかる。最近リオに行っていないから、実際はどうか解らないが、州政府が破綻したリオではもっとひどいだろう。 こんな国だから、アフリカや中国からやってきても、さほど大きな違いを感じずにブラジルに馴染めるのだろう。少々罪を犯しても大丈夫だと思ってしまう可能性も大である。そうしてブラジルはますます荒れて行く。今後数年、ブラジルが経済的にも文化的にも悪くなりそうな可能性は感じられるが、明るい兆しはまったく感じられない。
 | パウリスタ大通り。一見、近代的なビルが立ち並び綺麗にみえるが |
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