８・２４歳をとっても恋心は同じに抱く (2017/08/23)
雌犬アズミの糞を拾おうとかがんだ際に、背筋を女子体操選手のようにシャンと伸ばして歩く女性が通り過ぎていくのが目の端に入った。歳は30代前半155ｃｍほどの白人系女性である。いつも、小さなタオル手にもって、トレーニングシャツのような服を着ているから、おそらく近くのトレーニングジムにでも通っているのだろう。清楚でかわいいな、と憧れの目で見ていた。
ところが、つい先日、背の高い青年に肩を抱きかかえられるようにして、ニコニコ笑いながら歩いていくのを見た。彼氏がいたのである。恋心とまでもいかない淡い淡い気持ちを寄せていたのでちょっとがっかりした。当然、彼女は僕のことをたとえ見知っていたとしても、単なる犬の散歩をするおじさんとしか見ていないだろう。
自分が30代の頃は、50過ぎのおじさんが、若い女性に心を寄せるなんて思いもしなかったし、ちゃんちゃらおかしい、と思っていた。今、自分が50代になって、自分より随分若い女性に心を寄せるということに気づき、おじさん、おじいちゃんでも、若い女性に恋心とまではいかなくても、慕う気持ちを持つことを知った。それは、当然、おばさん、おばあちゃんでも同じであろう。もし、若い女性や男性が、おじさんやおばさんが自分をそんな目で見ていたと知ったらきっと驚くだろう。
僕より2回りも年上の、知り合いのレストランのマスターが、僕と飲みに行っては若い女性の尻をおいかけているのを見て、「自分の歳をかんがえろ」と思っていたが、今やっと彼の気持ちが解った。歳をとっても若い娘を好きになるのである。
随分前、うちのアパートの門番に65歳ほどのおじさんがいた。彼に、20代半ばの女性が恋をして、しきりにアタックをかけていたことがある。しばらくしてこの女性が毛布でつつんだ赤ちゃんを抱いていた。聞くと、あの門番の子供だと彼女は言って幸せそうに笑った。こういう稀なケースもあるのだ。若い人が老人に恋心を抱くことは滅多にないだろうが、その逆は普通にあると思う。
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