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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
8・31 逝く人々 [画像を表示]

8・31 逝く人々 (2017/08/30)  犬の散歩にでよう、と窓の外を見ると小雨が降ったのか道が濡れて黒く光っていた。空を見上げると曇っていて、窓からかざした手にぱらぱらと水滴が手に落ちた。今日はダメダ。中止、と犬たちに語り掛け、あと30分寝ようと再びベッドに潜り込んだ。いつの間にかうとうとしたようで携帯が鳴る音で目が覚めた。お世話になった知人からの電話だった。
 以前、お伺いした時に、ちらりといろんな問題が次から次へと起こって大変だ、と漏らしたことがあった。その後、あれこれともっと大きな問題が発生したり、仕事が忙しくなったり、すっかり連絡することを忘れてしまっていた。どうやら僕が言ったことをずっと心配していたらしい。寝起きで頭がまだボーッとしていて、そうそうに切ってしまった。おそらく相手も僕が起きたばかりだということに気づいていたのだろう。
 もう高齢の方なのでいつ何があってもおかしくない。今日電話が突然あったのは何か言いたいことがあったのかもしれない。電話直後は、雨が降らなかったら、午後にお伺いしようと思っていたが少々の雨でもお伺いした方が良いような気がしてきた。
 僕がサンパウロに来た頃にお世話になっていた方々が、どんどん鬼籍に入って行く。リベルダーデでたまたまあった知人に、「最近、あの人は見ないけれど、どうしたのか」、と聞くと、ガンを患って入院しているだとか、亡くなられたとか、と言う話を良く聞くようになった。僕自身がもう中年初老であるから、僕がサンパウロに来た頃、お世話になった人の多くは中年あるいは初老であったから、もう随分お年のはずである。亡くなられた人が多いのも当然のことである。
 お世話になった人ことを書いているうちに、急に最もお世話になっている人が入院していたことを思い出した。これを書き上げてからと思ったが、何故か無性に彼の務めいた会社に電話を掛けたくなった。もう退院されただろうか? 会社に電話をすると、6月に亡くなった、という答えが返ってきた。入院中にガンが見つかりガンが原因で亡くなったそうだ。ショックであった。何も知らなかった。何も・・・。僕にとってブラジルの頼りになるおじさんのような存在で、何か問題があるといつも相談にのってもらっていた。6月といえば大きな問題が発生して奔走していた頃だと思う。肺炎で入院していると聞いたときに何故お見舞いにいかなかったのだろう。肺炎と聞いて甘く見ていた。一目会いたかった。幸いだったことは、それほど長い間苦しまずに逝かれたことである。
 こうなっては今朝、電話をくれた方に会わないわけにはいかなくなった。午後訪ねるつもりだ。

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昨日と一転して天気も淀んだ感じがする。寒さ暑さが一日ことに変わっている


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