10・1 ニンジャの悪さ (2017/09/30)
アパートに帰りつくと、台所のゴミ袋が漁られていた。おそらく、雄犬ニンジャだ。こういう悪さはすっかりしなくなっていたのに、がっかりである。僕が声をあげる前から、悪い事をしたと既に解っていて、僕の顔を見るなり自分からさっさとお仕置き場所に直行した。お仕置き場所と言っても、単に裏口への廊下である。 昔のように、1時間もそこにいさせることはもうできない。もう、ジジイになったので、床がタイル張になったお仕置き場所は冷たくて彼の身体にはよくない。それでも、してはいけないことをした、ということを解らせないといけないので、せめて10分は居させるようにして10分を過ぎると呼んで許してやることにしている。できれば、もう、こんなまどろっこしいことはしたくないのだが、続けられると困るので仕方がない。 ニンジャの足が萎えてから、彼の身体には気を配るようになった。一番大変になるのは僕だということが解っているから気をつけないわけにはいかない。幸いなことに小走りができるようになったが、以前のように数段の階段を駆け上がることも、後ろ立ちをすることもできなくなった。後ろ脚の踏ん張りが極端に弱くなったようだ。 ニンジャ自身はさほど悲しんでいる様子もなく、階段の前に行くと、僕が手助けをするのを待っているし、散歩中も歩くのが辛くなると、立ち止まって僕の顔を見上げる。ときどき、ニンジャが足をひきずっているのに気が付ないで歩きすぎてしまうことがある。僕の方が驚いてはっとしているのに、ニンジャはというと何もなかったような顔をしている。 ニンジャにかなしそうな顔をされたり、くんくん鳴かれたりするよりは、あっけらかんとされた方がこちらは楽だともいえる。少しでも楽しく長生きしてもらいたい
 | ニンジャ。顔もすっかり白髪が増えた。インストグランなどにアップされる写真は仔犬や若い犬ばかり。やはり皆、年老いた写真を見せるのは嫌なのだろう |
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