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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
10・9路上生活者の増加 [画像を表示]

10・9路上生活者の増加 (2017/10/08)  日の出がすっかり早くなった。早朝5時半に散歩に出ても、明るいので危ない雰囲気はほとんどない。人通りも結構ある。もう夏気分である。今月の15日から、1時間時計の針を早めて夏時間になるが、夜明けに関しては全く問題ない感じである。気温も6時セントロ路上の気温計で20度だから、ちょっと一生懸命歩けば汗ばむほどである。

 土曜日が仕事だったせいか、疲れでずるずると寝てしまった。せっかくいい天気だったにもかかわらず、アパートから一歩も出ずに仕事をチョコチョコしながら寝る、を繰り返してしまった。日曜日のセントロは、人通りが減り、警官もいなくなるから、基本的には夕の散歩もしないことにしている。いるのは、路上生活者や、休暇を町で過ごすボリビア人やアフリカ人が多く、写真を撮っていると目立ってしまうのだ。路上生活者に一斉に襲われたらおしまいである。
 路上生活者のすべての人間が危ないという気持ちは全くないが、クラックなどの麻薬常習者の路上生活者がここ数年増え、治安が悪化した。麻薬が切れると、金欲しさに強盗に早変わりする者が増えたからだ。以前はせいぜい安酒を飲んで酔っ払っているくらいだったが、最近はパイプなどで麻薬を吸っているのをよく見るようになった。その分、突然、死ぬ人も増えたのだろう。ついこの間、路上生活のおばさんが、道路脇で寝ていた人の名を何回か呼んでいるのを見かけた。返事がないので、おばさんは「あら、ロベルトは死んじゃっているよ」と仲間に全く驚く様子もなくなく普通に言っていた。そのとき、ロベルトと呼ばれていた男が寝ぼけ眼でもそもそ起き上がった。「あら、死んだのかと思った」とおばさんが言っていた。
 おそらく、路上生活者には、朝起きて仲間が動かなくなって死んでいることはごく普通のことなのだろう。おばさんの、何の抑揚も驚きもない言葉がそれを物語っていた。路上生活では、人の死は当たり前にあることのようだ。
 最近のサンパウロは、町で一番有名なパウリスタ大通りにも、いたるところに路上生活者が寝ている。路上生活者の増加を見ていると町がどんどん荒れてきているのが解る

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日曜日のセントロ。人通りが少ない


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