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     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
10・16 一時の欲情 [画像を表示]

10・16 一時の欲情 (2017/10/15)  夏時間になって初めての月曜日。朝6時の犬散歩はさすがに薄暗い。つい2日前までの5時にあたるのだから、暗いのも当然である。案の定、人通りも幾分少ない。それでも思ったほどではないので、むしろ意外に多くて驚いた。連休があったために5日ぶりの散歩となるが、雄犬ニンジャが元気いっぱいに小走りでついてくるのには驚いた。萎えていた後ろ脚の具合が温かくなりよいのだろう。先頭を走るほどである。長い耳をパタパタ風にはためかしながら小走りに走る姿を見ているとこちらも嬉しくなる。

 今朝のニュースを見ていると、貧困から、親から引き離され施設に引き取られる子供が急増しているらしい。多くの子供たちは養子縁組でもらわれていくという。
子供から引き離された親のインタビューを読むと、いつか子供に会いに行くのが夢だ、と語っていた。
数年前に、ファベーラ(貧民街)の人々の生活を数か月にわたって撮ったことがある。最初は胡散臭そうに見られたし、貧民街に入るのさえ危険を感じたことがある。少しずつ話をするようになり、撮った写真をあげているうちに、住人の方から写真を撮ってくれ、と言うようになった。どこのファベーラにも組織のボスがいることは聞いていたので、できるだけ目立つ行動をしないようにしていたし、あまりしょっちゅう行かないように気を使っていた。
ファベーラで驚いたのは父親が異なる子供が多いことである。同じ母親から生まれてきたのに、肌の色、顔つきが異なる兄弟が多いのである。よく見ると、なんとなく似ているが、ぱっと見た目は兄弟にはとても見えない。子供が5人いて5人とも顔つきも肌の色も異なる家族がいて驚いた。
僕が行ったファベーラには小さな広場があり、多くの住人が井戸端会議をしていた。仕事がない人が多いから、広場には誰か彼かがいた。そこで、犬がじゃれるように、男性が女性を追いかけているのを何度も見た。女性は逃げるものの決していやそうではなかった。近所の人が恋愛するのは当然普通のことであるが、多くの人はちゃんとした婚姻関係を結んでいないから、別れるのも早い上に、セックスをするときにコンドームを使用しないから子供が生まれる。コンドームはいろんなところで無料配布されているが、使わないらしい。一度何故使わないか聞いたことがあるが、「ゴムをつけると気持ち悪いから」使わないという。多分同じような人が多いのだろう。ファベーラに行くとたくさんの子供たちが走り回っている姿をよく見かける。語弊があるかもしれないが、ファベーラの人達の多くは、その時の一瞬の気持ちよさしか考えておらず、後のことを考えていないのだ。僕が行った所ではそういう傾向が強かった。もちろん、全員がそうではないと思うし、ファベーラの人でなくともそういう人は多いと思う。
貧しい人ほど、子供が生まれた後のことを考えずに一時の欲情でコンドームなしでセックスをする人が多いような感じがする。それは教育的、道徳的なことなども大きく関係するのだろう。

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