10・31 急増する路上生活者 (2017/10/30)
今朝、メルカードに買い出しに行く途中で、古い建物の軒下に寝泊まりしていた路上生活者が一斉に立ち退かされていた。トラックと清掃人、警官を連れた市の職員が、軒下から路上生活者を追い払い、清掃人が、毛布、ペットボトル、箱などをどんどんトラックに投げ込み、その後を放水車で水を撒いていた。 見ていると、力ずくで有無を言わさず排除される路上生活者に同情してしまう。毛布に包まって寝込んでいたところを急襲されたのか、路上生活者たちは皆ぼんやりした顔をしてぼーっと立っている。 立ち退かされる彼らを見ていると、つい同情してしまうが、彼らたちの汚し方も激しい。中にはいろんなものをかき集めてきて、ゴミの小山の中で寝ている人もいる。うちのアパートの建物の軒下にも路上生活者が住み着き、その度に警備員が追い出している。とにかく彼らは汚すのだ。それも半端なく。ひどい時には周囲には悪臭が漂う。もし、追い出さなければ、彼らはいろんなものを拾ってきて持ち物をどんどん増殖させ、仲間も増えていく。かわいそうであるが、立ち退いてもらうしかない。 路上生活者にも、綺麗好きがいて、毎日自分の寝泊まりする周囲の掃き掃除をし、所有物はきちんと整頓するような人もごく少数いる。しかし、ほとんどは汚すだけ汚し、ひどい人になると夜、シャッターをこじあけ盗みを働く。 ある建物では、軒下に小さな穴のあいた水道管をつけ、蛇口をひねると水が流れるようにしていた。ちょっとひどいのでは、と思ったが、毎朝、路上生活者を追い出し掃除をしなければならない大変さを考えると、そのような水道管をつけたくなる気持ちも解る。 結局、今は驚くほどたくさんの路上生活者がいるから、住み心地のよさそうな軒下は、一人を追い出してもまた次の路上生活者がやってくる。もう、それはイタチごっこだ。 不景気になり、路上生活者はどんどん増えている。彼らをみていると、路上生活者仲間が普通にいるから、以前に比べると路上生活が恥ずかしいという感情は随分減っているような感じを受ける。今のブラジル経済状態では、今後も路上生活者はますます増え続けるだろう。 集団で通行者をジロジロ眺めているような奴らもいるし、中には通せんぼをして歩行者から脅迫に近い形で金を取りたてるものまでいるから怖い。もはや「かわいそうだ」、「同情する」、というような対象ではなくなってきている。
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