11・2 面倒くさい町 (2017/11/01)
写真を届けに行った。「ショッピングパウリスタの横だよ」と聞いていたので簡単に行けると思っていた。念のためにグーグルマップで調べていたし、迷うことはないと思っていた。 しかし、パライゾ駅を降りて橋を渡った所で解らなくなってしまった。普段携帯を持ち歩かないから、印刷した地図を頼って歩いたが解らない。結局、「ショッピングの横」という言葉を思い出してショッピングセンターにも行ったが、目標の名の通りはなかった。ブラジル人の中にはものすごく大雑把な言い方をする人がいるのだ。彼女もその一人のようだ。 おおよその場所は見当がついていたので、すぐ近くに在ったガソリンポストで聞いたが、適当にボソボソとした言い方しかしない。いかにも、教えるのが面倒くさいと言った感じだ。2度聞くのも嫌なので、言われた方角に向かった。途中、犬の散歩をしている男性に聞くと親切に教えてくれた。それでも、少し心配ではあったが、言われた通りに進むと、目標の道に辿り着いた。行き止まりの隠れたような道でわかりにくくなっていいた。目的のビルはショッピングセンタとは隣どころか、数百m離れたビルであった。 ブラジル人の道の教え方は千差万別で、「何番目の道を左に曲がって次の道を右・・・」などと恐ろしいほど詳しく教えてくれる人がいるかと思えば、「あっち」と方角を示すだけの人までいろいろだ。知ったかぶりで間違えたことを言う人間が多いので、人に聞く場合は必ず3人に聞いている。この頃は、グーグルマップで検索できるので大きくは外れることはないが、携帯をもちあるかないので、最終的には人に聞くことが多い。 地図を見せても理解できない人が意外に多い。見せても解らない場合はさっさと切り上げ、別の人に聞く。人に聞く場合は、必ず2mほど間隔をあけて近寄らない。というのは、道を尋ねようとした中年女性が、僕のことを強盗と間違え、驚いてひっくり返りそうになったことがあったからだ。もしこのとき彼女が倒れて怪我をしたら僕のせいになったかもしれない。このとき以来、モノを聞くときには決して近寄りすぎないようにしている。 反対に危なそうな奴にも尋ねないようにしている。聞くのは店の人間かタクシーの人間だ。尋ねた人間が強盗に早変わりすることもよくあるからだ。時間を聞くふりをして近寄って強盗をするのはよくある手だ。 と、道を聞くだけでもいろいろ気を使っている。知らない間に自分では心がけているが、こうやって書くと、いかに気を遣っているかが改めてわかった。そんなのアホくさ、なんて思う人もいるかもしれない。ぼくも日本に住んでいればそう思っただろう。 金があればタクシーで、車があればGPSを使っていけばよいが、どちらもない人間は、自分であれこれ考えて身を守るしかない。金に余裕がない人間にとって、サンパウロは面倒くさい町なのである。
 | セントロ。スリや強盗が多い所らしい。確かに、日系人歩行者はほとんど見たことがない。 |
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