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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
12・5 犬たち [画像を表示]

12・5 犬たち (2017/12/04)  日本に行っている間、ずっと心配していたのが、老夫婦犬だった。2匹とも、もう12歳ほどで、見るからに年をとっていた。最近の12歳の犬は、まだまだ若々しい犬が多いのに、特にうちの雄犬ニンジャはジジ臭い。ノミ・アレルギーでノミがつくと毛を噛みむしってしまうので背中はほぼ毛が無い状態になっているし、顔も白髪で白っぽくなっている。下手をすれば、彼は僕がいない間に逝ってしまうのではないか、と思っていた。あるいは、脚がなえて歩けなくなっている、と思っていた。
 というのは、一時期、何故か後ろ脚がなえてしまい、歩くのもやっとの状態になったことがあったからだ。歩いていても、しばしば足をずりずり引きずった。そんなニンジャの様子を見るのは本当につらかった。それでも、彼が悲しそうな顔ひとつしなかったのが不思議だ。犬は、歩けなくなっても辛くないのか、と思ったものである。彼よりむしろ僕の方が辛かったほどである。
 このときは、無理やりにでも散歩に連れ出し、ゆっくりゆっくり歩かせた。そして、毎日温水浴をし、足を中心にマッサージを繰り返した。もう、このまま歩けなくなると思ったが、続けているうちに少しずつ後ろ脚に強さが戻り、今はほとんど元通りに歩けるようになった。そんな状態になったことがあったから、僕がいない間は散歩に行けないのでまた後ろ脚が萎えるかもしれないと心配していた。
 雌犬アズミもヘルニアを患い、一時期は、ちょっと触っただけで痛くてキャインキャインないたものである。最初は何故かわからなかったが、サイトで調べるとヘルニアと解った。病状が進むと歩けなくなることもあるらしい。温水浴とマッサージが良いと書いてあったので、彼女にも毎日、温水浴とマッサージを繰り返した。彼女にもこれらが効いたのか、痛みは消え、抱いても鳴くことはなくなった。
 こんな病気持ちのジジババ犬たちであったから、僕がいない間に死ぬ可能性は十分あると覚悟していた。死んだ場合のお金を置いて行ったほどである。
ところが、帰ってドアあけると、まるで泣いているかのように2匹とも僕にじゃれついた。僕もメニエル病を患っているから、彼らからすれば、僕が死んでしまったかもしれない、と思ったのかもしれない。翌日に散歩に連れていくと、2匹は僕をぐいぐい引っ張って歩いた。2匹ともびっくりするほど元気なので驚いた。
 思った以上に元気で安心したが、雄犬は僕がいない寂しさに耐えかねて、1日中遠吠えをするようにウォーウーと鳴いて隣近所から文句が来たらしい。迷惑をかけた罰金で約2万円をビルの管理人にとられそうになったが、訳を話してなんとか許してもらったそうである。ニンジャに、僕の匂いがする服を与えると、ピタリと鳴くのを止めたらしい。普段は僕にまったく関心がないような態度をとるニンジャも僕がいなくて寂しかったようである。そういう話を聞くと、思わず「そうか、そうか、可愛い奴よ」という気持ちになり怒る気にもならなかった。
2匹に元気な姿で再会できたことは本当に嬉しい。良かった~

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若かりし頃のニンジャ。今は見る影もないほど年をとった


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