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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
1・18 自然を愛でる [画像を表示]

1・18 自然を愛でる (2018/01/17) ユーチューブで笑っていいともを見ていて、タモリが「・・・・、年を取って、自然を愛でるようになった。・・・・・」というようなことを言った。
その言葉を聞いて深く同意し、納得した。僕自身も、以前は、今ほどサンパウロの四季を感じることはなかった。今は進んで感じようとしている自分を感じる。季節になるとセントロのどこにどんな花が咲くのかだいたいわかるようになった。
もともと動植物は幼い頃から好きだったが、以前は街路樹なんてほとんど気にも停めなかった。この頃は、サンパウロのすくない四季の移ろいをできるだけ感じようとするようにになった。「自然を愛でる」気持ちが少しはできてきたのかな、と思う。それだけ年をとってきたということだろう。
日本人自体が、ブラジル人に比べ自然を愛でる国民だと思う。それは四季おりおりのはっきりした自然の中で生活し、昔から、短歌や俳句、絵などで自然を楽しんできた日本人の国民性も大きく作用しているだろう。
最近こそ、ブラジル人も、自然や動植物に感心をもつ人が増えてきたが、以前は少なかった。今でも、ブラジルの代表的なひとつ、イッペーの花を見ても、サンパウロではイッペーと知らない人が思った以上に多い。僕から見たら、ブラジルにおける、日本のサクラのような木だと思うがブラジル人からすれば、きれいな花が咲いている、で終わってしまうようだ。日本人でサクラを知らない人がいるだろうか? 僕が写真を撮っていると、多くの人が、これは何の花かと聞いてくるし、立ち止まって携帯で写真を撮り始める。婦人警官に、何の花かと聞かれたときは、こちらの方が驚いた。自然に関心がない人が、びっくりするほど多い。本を読む習慣がない人がほとんどだから無知識の人が多いのかもしれない。
ブラジル日系人の友人に、アサガオの種をあげようかというと、一緒に住んでいる子供が、いたずらで鉢をひっくりかえすからいらない、と断られた。それでも、果物がなる植物を植えると、実を食べるのが楽しみだからひっくりかえしたりしないらしい。日本の血をひく子供達でさえ、こんな感じであるから、育った環境の影響は大きいと思う。日本の子供で、アサガオの種を植えた鉢をひっくり返すような子供がいるだろうか? もしかしたら、今はいるのかもしれないが、僕の子供の頃はそんな話は聞いたこともない。
息子に山からカマキリを持って帰ってきたことがあった。きっと息子は喜んでくれるだろうと思ってあげると、彼は急いで外にだそうとした。母親がブラジル人だから、昆虫は汚いモノとしか思っていなかったようだ。本当にがっかりした。日本で友達の息子に、道でたまたま捕まえたカマキリを見せると、欲しがるのであげた。彼はアクリルボックスの中に入れて、毎日餌をやり死ぬまで観察したらしい。この差は・・・・。親の教育が悪いといわれればなんとも言い返せない。日本とブラジルでは、動植物を愛でる気持ち、知識欲の差があるように思う。結局、国のレベルの違いということか。

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日中は晴れ間が多くなってきた


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