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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
1・27 悪い癖

1・27 悪い癖 (2018/01/26) 早朝、オルガニック市に行く途中、街路樹のウルクン(紅の木)の実がどうなったか見るためにウルクンがある中央分離帯に向かった。早朝ということもあり、車は来なかったが見知らぬ男が僕の方に向かってくる。変だなと思いつつも、ウルクンの実を見ると、緑の実がいっぱいついていた。実はこれから緑が赤茶色になる。ウルクンには実が緑色のモノと赤茶色のモノあるらしいが、ここの実は赤茶色になる。しばらくウルクンを見ていると、先ほどの30代ほどの路上生活者らしき男が近くにやってきて「オイ、ジャポネス、10センターボ(約3円)くれないか?」と言いながら10センターボコインを見せて近寄ってきた。
 こういう脅迫的にお金を要求してくる奴には絶対にあげない。それがたとえ10センターボでもだ。「10センターボをくれ」といいつつ近寄ってきて、突然ピストルをだして強盗に早変わりすることもあるし、財布からお金をとりだそうとしていると、その隙を狙って財布ごとをひったくて行く奴もいる。どちらもよくあることのようで、息子や知人も同様の方法でやられた。僕自身も時間を聞かれ、聞いてきた男に近寄ると、服に隠していた拳銃が鈍く光ったので飛び逃げたことがある。人どおりが少ないところや時間には、決して油断ができない。
男がどんどん近づいてきたので、その場を去ろうとしたとき、男が持っていた10センターボ玉がチャリンと落ちた。男は慌てて拾い始めた。その隙にその場を立ち去った。どうやら、僕の考え過ぎだったようで、男は純粋に10センターボをもらいたかっただけのようだ。そうでないと、落ちた10センターボを無視して僕の方に向かってきていただろう。ちょっと悪いことをしたような気がしたが、ブラジル人をすっかり信用できなくなっている僕には人通りのない道路で、脅迫的にお金をせびる男を相手するほど度胸はない。カメラも携帯しているし、もしものことがあったらたまらない。何も構えない気持ちで、接すれば相手もまた違った態度なる可能性もあるだろうが、つい尖がった態度で応対してしまう。悪い癖である。


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