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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
2・8 お気に入りの食堂が危ない

2・8 お気に入りの食堂が危ない (2018/02/07)  古いメルカードの中に日系人が経営する食堂がある。主にメルカードで働いている人たちが利用している店であるから、決してきれいと言えるような店ではない。しかし、味は抜群である。今まで2人友人を連れて行ったが、2人とも非常に喜んでくれた。しかし、人によってはこの古くて暗いイメージのメルカードに入ること自体を躊躇するだろうし、この食堂で食べることを嫌がるかもしれない。ノルデスチ(東北伯)の決して綺麗とは言い難いメルカードとその中にある食堂、そのものなのである。僕も最初に連れてこられたときはそんな印象をもった。
この食堂の現在の値段は肉を含め数種の料理が食べ放題で16レアル(約530円)。味付けは最高で、僕が行けるレストランの中では最もおいしい食堂である。何より、メルカード内にあるので、野菜や肉などの食材がとにかく新鮮なのだ。特にサラダ類が豊富で新鮮で、味付けが最高。経営者が日系なので、味付けが微妙に日本風で日本料理風なものもでてくる。ちなみに昨日行った時にはカレーがあって驚いた。労務者風の男性は、それが何かわからなかったようだ。せっかくうまい料理があるのに、そのおいしさに気が付いていない人が多いのが残念だ。もし、この食堂がサンパウロ一のビジネス街、パウリスタ大通りにあったら、大繁盛しているだろう。
 ブラジル人の多くの庶民は、おいしいかまずいかは2の次で、値段で決める人が多い。だから、まずいのに値段が安いので繁盛している店もある。この古いメルカードに働く人や買い物に来る人は庶民以下クラスの人が多いのでどうしても味より値段をとってしまうようだ。このごろはこの食堂の客はめっきり減ってしまい、昼12時でもがらがらの時がある。僕がこの店にきはじめた頃は、客が多くて席を見つけるのも大変なほどであった。当時の客たちの旺盛なたべっぷりに驚かされた。山の様にご飯や料理を皿に盛り、それをペロリと食べ、さらにおかわりするのだから凄い。こんなに食べられたら、赤字になるのでは、と心配になってしまったほどであった。それが今は客がまばらで、潰れてしまうのでは、と心配になるほどである。ゆったりと食事ができるのは嬉しいが、この食堂がなくなってしまうのは悲しい。なんとか客に戻って来てもらいたい。
 


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