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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
2・22 サンパウロはもう秋 [画像を表示]

2・22 サンパウロはもう秋 (2018/02/21)  朝、ふと空を見ると、すっかり空が高くなり、秋の空になっていることに気が付いた。夏が終わったのだ。
 うちの近くの火炎樹が咲きはじめ、ウルクン(紅の木)の実もすっかり大きくなり緑から赤銅色へとほんのり変わり始めている。前の小さなプラサ(広場)ではカフェの実が数個、緑から赤に変わった。
 こうした植物たちの変化をみていると、秋をしんみり感じる。ノルデスチ(東北伯)以北では、夏か冬、あるいは乾季か、雨季かで春や秋はないが、中部のミナス州やサンパウロ州では、微妙ではあるが春秋は感じられる。とくにサンパウロ市は標高が800mほどもあるので、結構はっきりわかる。
 日本で、冬から春への移り変わりなど、四季を感じた時は嬉しかったが、サンパウロの微妙な四季を見つけると、なんとも言えない喜びを覚えるようになった。
 時の流れを、感じようとしている自分に気が付きつく。歳をとった証拠だと思うと同時に、日本人としての自分を感じる。長い間ブラジルに暮らしていると、自然を愛でる、四季を愛でる、自然に対する探究、は日本人の特性だと感じるようになった。勿論ブラジル人にも自然を愛し探究心を持つ人もいるが、日本人に比べると少ないように感じる。
 花が咲いていても実がなっていても、サンパウロの多くの人は大して気にしない。花が咲いていると「花が咲いている。きれいね」で終わってしまう。名前なんてどうでもいいし、どんな実がなるなんて気にもしない。大陸の大らかさであり、大まかさとも言えるし、生活に一生懸命でそんなことを気にする余裕がないのかもしれない。
 日常の便利さ、治安の良さ、・・・、いろんな意味で日本は恵まれ、ブラジルに比べると余裕のある生活をしている人が多いだろう。少なくとも僕が住んでいたころの日本、昭和の人々はそういう人が多かった。今はどうなのであろう?

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火炎樹のつぼみ、ぽつぽつと咲きはじめた。


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