3・9 世界女性デーデモ (2018/03/08)
そとから、マイクでがなり立てる声や、人々の喧騒が入り込んできた。窓から外を見ると、正面の通り一杯に横断幕を下げ、旗をふる人々が行進していた。 写真を撮りにいこうと思ったが迷ってしまった。というのは、最近のデモはレンズを向けると、垂れ幕に隠れたり顔を隠したりする人が増えたからだ。僕自身そんな嫌がる人々の写真を撮ることが嫌になっていた。嫌がる人々を撮る必要があるのか? と思ってしまったのだ。顔を隠したい気持ちもわかる。最近は、SNSで掲載されたり、顔から情報が割出されたりする可能性があるからだ。もし、僕がデモを行っていても、写真を撮られるのは嫌だ。 しかし、窓から、流れ込んでくる喧騒に負けてしまい、撮りに行ってしまった。できるだけ嫌がるそぶりを見せる人は撮らないこと、無理な撮り方をしないことを自分自身に言い聞かせた。 さほどブラジル国内の政治色が強くない世界女性デーのデモだったので、行進をする人たちは写真を撮られても嫌がる人はいなかった。それでも、すぐ近くでバシャバシャ撮るということはせず、中望遠で少し離れて撮ることを心掛けた。 女性を中心に、意外にたくさんの人が集まっていて驚いた。道路脇には、警官たちが10数人来ていたものの、威圧感一杯の楯をもった重装備の機動隊ではなく普通の警官が見守るくらいだった。なんの騒動もなく潮が引いて行くようにすんなりとデモは解散した。もし、これが政治関係や値上げ反対のデモ運動だったらこうはいかない。解散後も参加者が暴れまわりモノや商店が壊されたり、道路でモノを燃やされたりする可能性がたかい。 カーニバルでは撮影をしていると、撮って撮って、と頼まれたものであるが、デモとなるとそんな人は一切いない。デモ写真を撮るときは一層の注意が必要だ。
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