3・26 ところ変われば品代わる (2018/03/25)
日曜日のセントロは、ブラジル人が減るせいか、ボリビア人の家族連れが目につく。アンデス系インディオの血を引く人々は、その体型と少し陰のある東洋系似の顔立ちと黒髪でサンパウロではすぐ解る。最近はブラジル人との混血も随分増えているようだ。 日曜日の商店街の多くはシャッターを下ろしているが、それでも数軒は営業している。縫製工場などの職場が休みとなり、遊びにでてくるボリビア人などの客が意外に多いからだ。 ボリビア人の多くは出稼ぎにサンパウロにきている。縫製工場の多いブラス地区にはボリビア人コロニアでき、土日にはボリビアから運ばれてきた食品などが売られるフェイラ(市)も立つほどである。この地区にはボリビ・アレストランなども多く、安くておいしい料理が食べられる。あまりに安いので、どんな食材を使っているのか? 食べて大丈夫か? と心配になるようなものもあるほどである。 しばしば、狭い部屋にボリビア人数人が押し込まれ、奴隷労働をさせられていると、訴えられ、工場主のボリビア人逮捕のニュースがながれる。また、ボリビア人はタンス預金をする人が多く、そのお金を狙ったブラジル人強盗に殺害さることもしばしばある。ボリビア人はサンパウロでは、どちらかというと虐げられた感じがする。 奴隷労働が問題になるのは中国人も同じで、本国から連れてこられた中国人が奴隷同様に働かされるのを見てブラジル人が密告するパターンが多い。 ブラジルは労働者に対して非常に寛容な国で、労働者絶対有利の労働法は前世紀の法だと揶揄されている。労働者が雇い主を相手取り労働裁判を起こすと9割がた勝訴すると言われているほどである。それでもアマゾンや東北伯の田舎では、未だに奴隷労働に近い状態で多くの人々が働かされているようであるが。 奴隷労働から助け出された? ボリビア人や中国人の多くは、別に奴隷労働を強いられているとは思っていないようで、「毎日ちゃんと食べられるし本国にいるよりはマシだ」とまたもとの仕事に戻してくれるように頼みこんでくる人もいるようだ。まさに「ところ変われば品代わる」だ
 | 日曜日のセントロの午前中。営業する店も人通りも少ない |
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