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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
4・21 老人の社会問題が増えそうな予感

4・21 老人の社会問題が増えそうな予感 (2018/04/20)  最近、セントロの商店街が沈んでいるような気がする。まだまだシャッターをおろしたままのお店が多いし、路上生活者がやたらと目につく。
 ニュースによるとブラジル経済はよくなっているらしいが、その影響の恩恵はまだ庶民にまで降りてきていないようだ。サンパウロの失業者はふえつづけていて現在は600万人以上とも言われている。1年以上職を探している人も多いようだ。
この頃は、商店が新しくオープンしたと思ったら薬局ばかり。それこそ、百mもあるけば、薬局があると言う感じだ。最近は、成人病などを患う人が増え、薬を買う人も当然増えているはずであるから店を開いてもハズレが少ないのだろう。とにかくセントロだけでも物凄い数の薬局がある。
ブラジルも高齢者が増えていて、社会問題となりつつあるようだ。介護を受けられる人は、一握りの裕福な人々だから、一般庶民、それ以下の人々はいったいどうしているのだろう? ニュースでもあまり取り上げられないから謎である。
スーパーなどで買い物をしていると失礼な老人が増えた。怒りやすいし、失礼な人が多い。まず、列に並ばない。当然の権利とばかり列をすっとばしていく。この国では、老人や妊婦などの弱者は列にならばなくても良いし、社会からの恩恵をいろいろ受けられる様になっている。皆そのことはよく判っているから、不満をいう人はいないが、ずっと並んでいた人に一言、礼くらい言ってもいいだろう。まったく待つことなしに老人が当然の顔をして列の先頭につくのを見ると腹立たしい。スーパーには老人専門のレジがあるのだが、老人同士の喧嘩が絶えず、老人の中には、そんなレジに嫌気がさし、一般のレジできちんと並んで支払いを済ます老人もいるほどだ。
僕の住む、一般庶民の地区には、不平不満が顔に出たような老人やいじわるそうな老人が多く、柔和な老人は少ない感じさえする。もともと道徳心の薄い国だし、老人たちはさらに自分の権利を押し通そうとするからからもめごとが起こりやすい。自分が気の食わないとおこりかかって来るような老人もいるから、できるだけ老人の近くには寄らないようにしている。
 医療の発達などでブラジルも老人の寿命が延びたらしい。その割には若者が犯罪や麻薬でどんどん死んでいるから、老人大国になる可能性は十分ある。そのことにたいする対策はほとんどとられていないようであるから今後が心配である。
 後、数年も経てば僕も老人の域に入る。安全な日本に帰るか、危ないブラジルにいつづけるか、今悩んでいるところである 


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