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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
4・23 生活ギャップ [画像を表示]

4・23 生活ギャップ (2018/04/22)  土・日とユーチューブで日本のドラマ「結婚できない男」「ラストシンデレラ」「アットホーム ダデイ」などを見た。どれも面白く、ついつい全部見てしまった。
 阿部寛以外は知らない俳優ばかりで、当初はなかなかとっつきにくかったが、篠原涼子などの女優や芸人たちが思った以上に演技がうまく気が付くと引き込まれてしまっていた。見ていて気付いたのは、僕が日本のいた頃の少女漫画にでてくるような、細見の美少年、今でいえばイケメンが多かったことだ。ブラジルのテレビドラマで見るのは、筋肉もりもりのイケメンばかりなので、異質に感じてしまった。
 ビデオを見終えて外に出ると、サンパウロのセントロ周辺の汚さが際立って見え、現実に引き戻された。ちょうど、学生時代に欧米の映画を見終えて外にでると、現実に引き戻された感覚とよく似ている。あらためて、日本の綺麗な街並み、治安の良さ、日本での生活の快適さを感じてしまった。
 とはいえ、こうしたドラマでロケされるのは、日本の中流以上の人々が住む住宅街だろうし、ドラマで描かれた人々の生活も中流以上の人々であるだろうから、サンパウロの一般庶民の生活と比べると快適な生活に見えるのは当然だ。日本の、一般庶民の生活はどうなのだろう。
 今朝のニュースサイトには、国が破たんしてしまったベネズエラ難民が、ブラジル国境に押し寄せていることが載っていた。先週末にはロライマ州国境が封鎖されたような記事をみた。多くの難民が200キロ以上を無銭・徒歩でロライマの州都ボアビスタに向かっているという。たとえ州都に到着しても仕事はほとんどなく、売春や犯罪に走る難民が多いらしい。日本の大きなサイトニュースを見る限りではまったくこれらのニュースを見かけない。サンパウロに居ても首都カラカスの窮状はほとんど入ってこない。
 ブラジル・ミナスでは鉱山の廃水漏れで周辺の住人は飲み水もないらしい。以前あったマリアーナの、鉱山廃棄物を溜めたダムの決壊では廃棄用水が川に流れ込み、地球規模の自然破壊となった。おそらく、今後被害が表面化してくるだろう。これらの鉱山会社は2つとも外資系の会社である。自分らの国を快適にするためにブラジルの自然被害、住民の被害などはほとんど気にもとめていないようだ。もしこれが自国であれば、対処の仕方は全然違うだろう。ブラジルでは損害賠償の金額は話題に上るが実際に損害賠償されたというニュースは見ない。これらの事件もほとんど日本では報道されていないだろう。
 ヴェネズエラの破たんは、チャベス前大統領や現大統領の政策など自国の責任は大きいだろうが、中国が散々搾取したことも(もしかしたら日本も)要因のひとつであることは確かである。
快適な生活はどこかの国の犠牲の上になりたっていると言える。それは、快適とはいえないまでもサンパウロの僕の生活も同様である。人々の生活にある大きなギャップをしるといろいろと考えさせられる。

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サンパウロの夕暮れ


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