久しぶりに夜のセントロ近辺を徘徊してみる。夜と言ってもせいぜい8時頃である。冬のサンパウロは6時半にもなると夕闇が訪れるし、最近、不況で家路に着く人が多いから街中といえども脇道にはいると人どおりは少なくなる。 　セントロの繁華街を通り抜け、セ広へ。セ広場は午後7時以降になると警察のパトロールもめっきりすくなくなり危なくなることを知っているので足早に抜ける。セントロの繁華街には、もう少し殺伐とした雰囲気が漂うか、と思っていたがさほどでもなかったので少しがっかりしてしまった。 　その足でリベルダージに向かう。ぼんやり輝くスズラン灯がずらりと並ぶガルボンブエノ通りを期待していくがこれも期待を大きく覆され、人どおりもまだまだ多かった。とくに、アベックや地方からやってきたらしい人間が多い。リベルダージは他の場所と比べると幾分安全そうだし、夕飯を食べるレストランもたくさんあるし訪れやすいのだろう。 どうやら、夜のサンパウロを楽しむなら10時以降でないと難しいようだ。すっかり朝型になってしまい、車も持っていない今の僕には難しい。一昔前には、11時以降になってやっと遊びにいくほどだったのに。 　15年ほど前に、日本からサンパウロを訪れた人、あるいは住んでいた人は、いまだにさほど治安が悪いと思っていないようで、「せっかくサンパウロに行ったら夜たのしまなくっちゃ」「旅先での多少のリスクは仕方がない」などと言う人もいるが、今はあの頃とは異なる。リスクはぐんと高くなっている。しかし、ホテルからタクシーを使い、高級店の集まる地域にいくならたぶん安心だ。お金を使わず楽しもうとしたら、リスクはぐんと高くなる。今までの経験からいくと日本から来る人の多くは非常にケチな人が多かったが、今はどうだろう。 次は9時ごろにセントロを徘徊してみよう、と思っている ブラジルは、戦地のシリアより暴力での死亡者が多いらしい。普通に暮らしている分にはさほど危ないとは感じないがあぶないことは間違いない。 写真は8時頃の、セントロの繁華街から1本目の脇道

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