春が近づいているのか夜が明けるのが早くなった。あいかわらず寒い日が続くが春は確実に近づいているようだ。6時半頃の、犬の散歩の終り近くにはすっかり夜があけるようになってきた。 　薬局に、いつも飲んでいる高血圧の薬を買いに行くと、2個買うと1個無料サービスになっていた。その上、2か月前よりも１０レアル（約３００円）も安くなっていた。時間がなくなんでこんなに安くなっているか尋ねることができなかったが、薬局がどんどんできすぎ過当競争が始まったのであろう。1箱（1カ月分）１８レアルなんて安すぎる。 　本当は薬を飲むのへしていくことを考えていたので1箱しか買うつもりがなかったが、つい2箱買い、1個おまけでもらってしまった。箱をしげしげとみたが、偽者と言うことはなさそうだった。 　ブラジルの製品をまともに買って安くなっていたというのは初めてである。というのはインフレがあるし、今までの経験からいくと、なんらかの理由がある。もしかしたら何か理由があるのかもしれない。 　僕がいつも買っているのは大きなチェーン店で、サンパウロの薬局では安い方であった。そのうえ、店の場所によって値段が異なるらしく、数あるチェーン店の中でも最安値の部類に入る店だろう。というのはセ広場の真ん前にあるお店で、中流以上の人は危なくてまず買いにくるような店ではない。店の客の８０％が貧乏人だろう。だから安いのである。他の店にに比べ1割は安い。 　初めはおんなじチェーン店でそんなことはないだろうと思っていたが、薬局でアルバイトしていた息子に聞くと店によって値段が違うという。それでも信じられなくて、店の人間に直接聞いたがやはり同じように答えた。 　と言う訳で僕はセ広場前のお店で買いつづけていたのである。ただでさえ正規の料金より安いのに、それがさらに安くなっていたのでびっくりしてしまった。 　トランプが大統領になって世界中の経済が狂い始めたような気がする。これからどうなるのだろう。 セ広場前の道路。背後にうっすらと見えるのが教会。路上生活者が多く危ない場所とされる。

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