9・14誰でもカメラマン (2018/09/13)
アパートの門番に「今、パウリスタのイタウクルツラルで有名写真家の写真展をやっているよ」と言われ、パウリスタにいくついでによってみた。 この門番は、僕に話をする唯一の門番である。僕が建物に出たり入ったりするたびに「BOA TARDE」と挨拶してくれるから、こちらも必ず挨拶を返していた。そうするうちに話すようになったのだ。しかし、僕がカメラマンということは話していなかった。同じ建物の住人にも取材をさしてもらうさいに2人に言っただけである。できるだけ自分の事は話さないし、住人のことも聞かないようにしている。あまり自分のことをペラペラしゃべると何処からか話が漏れ危ないと僕はおもっているからだ。この門番が知ったのは建物の前のプラサで、時折、花や実の写真を撮ることがあるのでそれを見たことがあるせいかもしれない?? ブラジルの大きな銀行はたいてい文化センターを持っていて、演劇や映画、各種展示会を無料か格安で見ることができる。おそらく、税金対策の一環だろう? 無料とはいえ、有名な作家の展示会などが行われていてなかなかいい。 世界的な写真家だというのでてっきりサルガドがと思っていたら、僕の知らないブラジルの写真家であった。90年代に雑誌などで活躍したらしい。名前はGERMAN LORCA。彼が愛用していたライカやニコンなどのフィルム用のカメラも展示されていた。 古い写真家は好きだし、白黒写真も好きであるが、展示会にはあまり良いと思った写真はなかった。しかし、僕の芸術写真欲は十二分に刺激され、帰り道々写真をとった。 パウリスタ大通りの、中央分離帯の自転車で若いカップルの写真を若い女性カメラマンが撮っていた。ここ10数年、ブラジルでも一眼レフデジタルカメラがそこそこの値段で買えるようになり、カメラ人口がどっと増え、カメラマンも増えた。おそらく、この女性もそんなカメラマンのひとりだろう。少しの投資でだれでもカメラマンになれるのである。 今のデジタルカメラだと、器用な人間だとそこそこの写真は誰でも撮れる。携帯のカメラで撮っているうちにうまく撮れるようになりカメラマンになった人間もうだるほどいるだろう。 撮ってその場でみられるし、PCで調整もあるていどできる。プロのカメラマンなんていう職業はあってないに等しいような気がする。その場にいるかいないか、カメラをもっているかいなかの違いである。実はそれが大きく左右するのであるが・・・。 今のカメラは驚くような写真が撮れる。それはカメラを持つ人間がそのカメラを使い切っているかどうかで違いがでてくる。 昔ほど難しい技術などはいらない。ネットを見れば誰に教わることもなく一人で十分やれるし、自分なりに試してみることができる。
 | サンパウロのシンボル、パウリスタ大通り。普通の日でも人が多い |
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