ここ何年も水道水の水を直接には口にしていない。 朝起きてまず、口の中の雑菌を洗い流すうがいするのだが、一応前日に煮沸した水を使い、蛇口からの水は直接使わない。なにしろ、サンパウロの水道水は臭いがあって超まずいし、時に色がついていることがあるから、最近ではもっぱら煮炊きや飲料水などにはミネラルウォーターを使っている。犬に与える水も、ミネラルウォターまでは使わないものの煮沸した水にしている。ブラジル政府のやることは一切信用していないから、自分の周囲のことはできるだけ自分の納得いくようにしている。 　ブラジルにきたばかりの頃は水道水を直接口にしていたと思う。誰かに水道水は飲まない方が良いと注意され飲まなくなった。その頃は今ほどまずくはなかったような気がする。ある人に聞くと、今は下水をフィルターに通してまた水道水にしているようなことを聞いていたし、例え雨水にしてもひどい水だと思う。雨が降らなくて、サンパウロ市の貯水湖が涸れはじめると、湖の地下に溜まっている動かない水までも利用している。 　本当は、そんな水で身体や髪を洗うのもいやなのだが、シャワーを浴びないわけにもいかず、水道水を利用している。せめて口にする水だけはミネラルウォターにしようと思い、ミネラルウォターを買って使っている。水のいい地方に行って数日シャワーを浴びていると、髪がさらさらしたり肌がスベスベになるなど調子がいいような感じがするのでやはり何か影響はあるのだろう。 　市内で誕生日会などに呼ばれて会場となるお店にいくと、飲料用の水に水道水が使われていることがしばしばある。一応沸かしているが、まずいから飲むとすぐわかる。誕生日会をする人はパウリスタ通り（サンパウロ市で最も有名な通り）に事務所を持っているような弁護士や金持ちだし、店の場所からもそんなに安い店ではないはずだ。どうせ水など飲む奴はそれほどいないからいいだろうと手を抜いているのだ。とにかくブラジルにはこうした手抜きが多いから気を付ける必要がある。 　今度、日本に帰ったら浄水器を買ってきて、売られている水をさらに浄水してから使かおうと思っている。例え、ミネラルウォーターだからと言っても決して信用できないからである。世界の大企業の食品会社も、ブラジルで売る製品には手抜きをしたりすることがあるからだ。日本で売る製品と同じでないことは確かだ。 　ブラジル食品会社も中国食品会社並みに信用できない。実際、食品不正のニュースがしばしば流れている。売れれば、金になれば、消費者の健康なぞどうでもいいのである。それは今の日本の食品産業も同じことが言えるかもしれない。

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