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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
12・13僕の住むアパート

12・13僕の住むアパート (2018/12/12)  アパートの外に出るとモワンとしたなま温かい空気に包まれた。こんなに暑ければきっと35度は軽く超えているだろうと思いながら、路上にあるデジタル温度計を見ると33度。33度でこんなに暑ければ、40度を越えればいったいどれほど暑くなるのだろう。
僕の住むアパートは市の文化遺産になっている築60年を越えた古いアパートで天井が高く、夏はヒンヤリしている。そんな古いアパートだから、税金を払わないで良いが、水漏れなどが多く、その修理費にお金がかかる。そのうえ、外観の変更が禁止など細かな指定がある。
 最初にこのアパートに入った瞬間に、部屋の明るさと22階からのセントロの眺望に魅了された。当時、日本の銀行口座にたまたまあった300万円と50万円親からお金を借りてやっと購入した。購入するにあたって仲介に入った日系人に50万円たかられたのだ。そんなこともあり、入る前に配管などリフォームをしたかったが何もできなかった。この男のニタリ顔がいまだに忘れられない。しかし、もし、このアパートがなかったら、金に行き詰まり今頃日本に帰国していたと思う。今は無理にでも購入して良かったと思っている。
 メトロの駅からもバスターミナルからも近いこのアパートは交通の便がよいことから人気で当時の3倍以上の値がついているようだ。
 通常のアパートの建物の寿命はサンパウロでは80年と言われている。サンパウロ大学の建築科の人間に聞くと、僕の住むアパートの建物はイタリアの有名建築家が設計した当時高級アパートだったらしく、建築資材に良いモノがつかわれているので、100年近くは持つだろうと言う話であった。
 今ではすっかり古い建物で、とても高級アパートと言う感じはないが、少なくとも僕が死ぬまでは持ち堪えてくれそうである。


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