3・6 飲めなくなった酒 (2019/03/05)
どうやら、昔の友人・知人の多くは僕を酒好きの人間と思っているようだ。 周囲の人間がそう思っていることは、むしろ僕にとっては驚きである。考えて見れば、最近でこそお酒はほとんど飲まないが、40代半ばまでよくお酒を飲んだ。大学時代は毎日浴びるほどのみ、毎日が二日酔い状態だった。ブラジルにきてあまり飲まなくなったが、それはブラジルで酔っ払っていると襲われるからである。それが40代半にメニエル病にかかりほとんど飲まなくなった。それまでさんざん飲んできたせいか今では飲みたいとも思わない。もともと体にアルコールはあわないのだ。酒を飲むと2日酔いが激しく、3日酔い4日酔いがざらにあった。 お酒の味わい深さを知ることは生きていくうえで何物にも代えがたい楽しみのひとつであると思う。お酒を味わえないことは一生の楽しみのひとつを失ったようなものだ。 しかし、誰に止められる訳でもなく、飲まないでいられるのはありがたいことだと思う。飲みたいと思わないから、独りでいるときに飲むことはまずない。なにかのあつまりの乾杯や珍しいお酒、おいしいお酒があると1杯だけ飲む。それで十分満足できる。 ただ困るのが、昔の僕を知っている人が、久しぶりに酒を飲むことを楽しみにして会ってくれた時だ。「もう飲めない」というとたいてい残念そうな顔をする。そんな顔を見るとついつい飲んでしまうが、普段飲んでいないので、せいぜいコップ3杯でギブアップである
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