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     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
5・31 サンパウロ・セントロの路上生活者 [画像を表示]

5・31 サンパウロ・セントロの路上生活者 (2019/05/30)  うちのアパートのノーベ・デ・ジュリオ大通りにかかる陸橋の袂に路上生活者がベニヤ板などを拾ってきて、勝手に小屋を作って住んでいた。
 今まで、何度となく小屋が撤去されていたが、この地域の、その空間は路上生活者には魅力的に見えるらしく勝手に小屋を作って住み始める人が多かった。おそらく地域に住む何人かからクレームがあったのだろう。ついに、その小屋は撤去された。溜めこまれたゴミを回収するために2台のトラック、そして3台のパトカー、8人の警官が見守る中で撤去が行われた。これほどたくさん警官がいると、とてもはむかう気にもならないだろう。小屋の住人はすぐに小屋を放棄したようで、僕が見た時にはすでにいなかった。
 路上生活者にもセントロ周辺は住みやすいようで、たくさんの人間が道路のあちこちで倒れるようにして寝ているのをよく見かける。もしかしたら、そのまま死んでいる人もいるかもしれない。しかし、寝ているのか? 死んでいるのか? 見分けもつかない状態だし、歩道の真ん中や、車道からの上り口など驚くような所に倒れ込むようにして寝ているから、寝ているのか、倒れているのか、死んでいるのかさえ分らない。なので道行く人も、それが普通の光景となり、道路で倒れ込んでいる人を見ても何の気もかけない。僕もすっかりその光景に慣れてしまった。
 路上生活者が住みついての一番の問題は、いろんなものを掻き集めてきて、それらを周り中に置き、汚すことだ。本当に汚くする。中には、掃除をするきちんとした路上生活者もいるが、それは極わずかで、彼らが立ち去ったあとは、大型ごみから生ごみまで散乱する。よく、店の前の軒下などで夜、路上生活者が眠る。店の人間は、毎朝の掃除にうんざりしてしまうだろう。糞尿もところ構わずするからその掃除も大変である。
 最近でこそ、ほとんどいなくなったが、路上生活者の中には、歩行者にお金や物を強要するものまでいた。とうせんぼうをするようにしてお金を乞う。気の弱い女性などは渡してしまうことになっただろう。最近は、警察に通報されすぐ排除されるのか、こうした輩はいなくなった。
 もう少し、綺麗にすれば嫌われることなく住んでいけると思うが、多くの路上生活者は汚しに汚して、後のことは何も考えない。
 しかし、中には、聖書を常に持ち歩き、寝て汚したところはきちんと掃き掃除をし、衣服をきちんと折りたたんで鞄に詰め、去っていくような人もいる。

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立ち去った後


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