8・14移民の国ブラジル (2019/08/14)
メルカードにある鶏専門の精肉店に行くと、顔見知りのアフリカのマリか移民としてきている男が客とにこやかに笑いながら話していた。 あんなに明るい奴ではなかったはずだ。ポルトガル語も僕より少し下手なくらいだった。それなのに随分とうまくなっている。いつも苦虫を噛み潰したような、機嫌の悪そうな顔で客に対応していたし、滅多に笑うような奴ではなかった。1か月ほど前から妙に明るくなったことに気が付いていた。どうしたのだろう? と不思議に思っていた。 僕の番になり彼が「何がいるの?」と問いかけてきた。以前なら彼から言ってくることは滅多になかったのに! 「むね肉を1キロ」と言った後、別にからかうつもりもなく、「随分ポルトガル語がうまくなったね」といった。隣にいたやはりマリから移民できた男がにやにやしながらからかうように言った。「女だよ! 女!」すると照れくさそうな顔をして「恋人を作って何が悪い!」と言いながら男は頬を赤く染めた。肌が黒いから赤くなったことは解らないはずであるが、そのときはなんとなく赤くなっているように感じた。 知人に半黒のモレーノ(白人と黒人の混血)がいる。真っ黒とは言えないがどちらかというと黒い肌をしていた。こいつは怒ると、肌がよりいっそう黒くなった。よく、日本人にも怒ると青くなる奴がいるが、こいつも青くなるタイプで青くなってよりいっそう黒く見えたのだと思う。 「あれ、マリに奥さんと子供がいたんじゃなかった?」ときくと「いるよ。マリでは3人妻がいてもいいんだ。それにこっちの女性は恋人さ」「ふ~ん」 多くのアフリカの国では2人か3人の妻がいても良いと聞いたことがある。からかうつもりは一切なかったのだが、彼はからかわれたと感じたかもしれない。 ブラジルは世界中からいろんな人種が移民や難民としてきているだけに様々な宗教、文化、慣習が存在している。実際にブラジルにいる移民・難民に接してみると面白い。 そのうち、日本もブラジルに負けない移民大国になるのかもしれない。ブラジルはもともと移民の国だが、日本は今までほとんど単一国家に近い国であった。それだけに世界中の人々が移民・難民として流入すると、もともといた日本人は対応しきれるのであろうか?
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