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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
1・22 犬泥棒

1・22 犬泥棒 (2020/01/21) 真夏だというのに、肌寒い。朝6時半の気温はセントロ付近のデジタル温度計で19度。日本の人に笑われるかもしれないが、かなり肌寒く感じる。道行く人も長袖や上着をきている。
 今朝も、いつものように柴犬リンと散歩だ。うちからリベルダージまでの往復約4キロ、速足で40分程。結構、上り下りがあり、終わると汗ばむほどだ。最初はリンのエネルギー発散のために行っていたが、最近は自分の健康維持のためである。この散歩のおかげか? メニエル病の予兆である、ふらついたり、気分がすぐれなかったりすることも、すっかり影をひそめ体調がいい感じがする。
 今日もいつものようにリベルダージのリベルダージ広場を通り抜ける。この広場では、白いジャージを着た老人たち30人ほどが毎朝ラジオ体操をしている。最近は、リベルダージにやって来る観光客目当てに、広場にも様々な屋台テントが張られ、ラジオ体操をする空間も侵され始めている。とにかく広場中に金儲け目当てに食べ物を売るテントなどが張られはじめた。オーナーは目ざとい中国人やブラジル人だろう。リベルダージがどんどん侵略されるようで悲しいが、これも時の流れである。それだけリベルダージの、人の流れが活発になってきたということだろう。10年前に日本に帰った友人たちがこの様子を見たらきっと驚くだろう。
 あのころ、リベルダージの町に漂っていた陰気さ、野暮さは、どんどんなくなり、垢抜けた町になったのだから。日本からやってきた人が古き良き日本が残っている、といって喜んだものだが、今はもうその面影もほとんどない。日本人街から東洋人街に、そして今中国人街になろうとしている。
メイン通り、ガルボン・ブエノ通りを通り、お土産屋をまがろうとすると、
「ほら、見ろよ、言った通りだろ」という声が聞こえてきた。お土産屋の従業員? らしき数人の男達が柴犬リンを見ていっているのが聞こえた。柴犬はサンパウロではまだ珍しい。日本円に直しても20万円以上する。そんな高い犬を何故買ったかというと、仔犬を産ませて売ろうと考えたからだ。今まで4回以上仔犬を産ましたことがあったから、それほど無理なくできると思ったのだ。ところが、ブリーダに仔犬を買いに行って、その施設を犬工場のように感じた。僕にはとてもそんなことはできない、と気づいたのだ。もう、その時には既に前金を払っていた。後戻りすることは難しかった。なけなしの金を叩いただけに、自分のバカさ加減をなじらずにいられなかった。考えが甘かったのである。それでも今は、リンから若いエネルギーをもらったことや、体調維持ができていることを考えると良かったかなと思っている。今や、リンはすっかり散歩犬である。子犬を売るかどうかは別にして、それでもリンにお産をさしてあげたいと思っている。
 何が怖いかというと、犬泥棒が横行していることである。高価な犬に目をつけ、散歩中に盗むのである。盗んだ犬は、売れるものは転売し、あるいは、子供うましたりして売るらしい。とにかくブラジル人は金になると思えばなんでもやってしまう。泥棒でなくてもあっという間に泥棒に変身してしまう輩がおおいのだ。
 なので、散歩の時間も人どおりの多い時間を選んでいるし、微妙にかえている。心配し過ぎだと考えるかもしれないが、「あの犬たかいのだよ」とか「その犬幾らで買った?」・・・と言われたり、通りすがり耳にするとやっぱり心配になる。実際、ニュースなどでも、しばしば犬が盗まれたニュースをよくみる。あの凶暴なピットブルでさえ抱いて盗んで行ってしまうのであるからびっくりしてしまう。
 柴犬は、ブラジル人には可愛くみえるらしい。だから散歩中も注目を浴びることがよくある。気をつけるに越したことはないと思っている


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