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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
5・4 大きな心配

5・4 大きな心配 (2020/05/04) ブラジルでは、武漢肺炎は止む様子は全くなく広まる一方である。ついに死者は7000人を突破した。アマゾンの原住民の間にも拡散しており、世界的に著名な写真家のセバスチャン・サルガドがボルソナーロ大統領に、早急な保護対策を取るように公開書簡を送ったそうである。
 うちのアパートの建物でも、マスク着用が呼びかけられ、僕の見た感じではセントロ付近で8割がたの人々がマスクを着用するようになった。あまりにたくさんの人がしているので、僕もアパートの建物内や公共交通機関の中では装着するようになった。
 セントロでは、ルア(道)で多くの販売人が路上販売をしている。そのほとんど、いやすべてがブラジル製や中国の製の激安品だろう。これらのマスクに使用されている材料や製作の環境状態は、日本のような衛生環境基準は全く満たされていないだろう。普通の部屋、普通のミシンで作られるマスクがほとんどで使用しても効果はほとんどゼロに近いのではないか?? と思うが、約8割の人が装着していると、エチケット上、しないわけにはいかず、しぶしぶするようにしている。建物や交通機関の外にでると、すぐはずすようにしているが・・・
 最近、ブラジルは武漢肺炎だけでなく、政治にも問題がある。ボルソナーロ大統領の言い方を聞いていると、「自分が大統領だ。だから自分が一番偉い! 自分が好きなようにする」と言っているように聞こえる。息子や友人など、縁故採用をしたり、自分の言う通りにしなかったり、反対する大臣はたったと辞任させたり、・・・・
 武漢肺炎に対しては、彼は「ちょっとした風邪だ」と言いきり、施設の閉鎖やロックダウンに反対し、各州の多くの知事と相反する経済重視に走っている。この点においては、僕も彼の考えにある程度賛同する。
 ブラジルのような貧乏国家だと、経済がストップすると途端に食べられなくなる人がたくさんいるからだ。日本や欧米諸国のように、多額の支援金を援助するようなお金はブラジルにはない。それでも先月から低所得者層や個人営業者に600レアル(約1万2千円)の援助金を3か月だしている。
 僕も、へたをすると今年はもう仕事が入らない可能性が大きい。個人営業者である僕も手続きして、600レアルもらった。たとえわずか日本円で12000円でも、今後のことを考えると、2,3週間のうちにもらえたのはありがたい。日本のようにもらうまでにぐずぐず時間がかかると家賃などの急を要する支払いなどがある人は、困るだろう。多くの人が同じであろうが、金がつきる前に、何でもいいから、とにかくできる仕事を探さなくてはならない不安は半端ない。
 今日のネットニュースをみると大統領はSTF(連邦最高裁判所)と対峙している。武漢肺炎に対し経済重視の自分考えに反対する保健省の大臣を解任し、連邦警察の長官に息子の友人を採用しようとしたことに異議を唱えた法務省大臣を解任した。これにはSTFも異議を唱えた。ボルソナーロは軍の支持も得ているとうそぶいているらしい。
 ここまでくると、ベネズエラのようになりえる可能性もなきにしもあらずである。まるでブラジルを自分が好き放題にできる国のように思っているかのようである。無知で、傲慢、勘違いもはなはだしい! 早く弾劾裁判にかけてひきずりおろすしかない。
 ブラジリアではボルソナーロの支持者が車で集まり、2600台の車が 支持行進を行ったという。熱烈なボルソナーロファンが意外に多くいるのは確かなようだ。軍事政権になるようなことはまずないとは思うが、今の状態を利用してどさくさに紛れて押し進める可能性も全くゼロとは言えない。それだけに武漢肺炎拡散と共に心配である。


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