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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
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5・18 寒い! (2020/05/17) 寒い! 
 朝6時になっても夜が明けてくる様子がないので、窓の外を見ると真っ白。
 寒いわけだ。「霧の町、サンパウロ」と言われるほど、サンパウロは霧が多いことで有名で、歌にもなったほどであるが、僕はさほど霧が多いイメージはもっていない。この頃は温暖化で少なくなっているような気がする。
 携帯のサンパウロの温度を見ると今日の気温は14度。普段は寒くても17度前後であることを考えると結構寒い。路上生活者の中には凍死する人もでているのではないだろうか? 普段から栄養状態が悪いうえに武漢肺炎が蔓延している今の状態では、この寒さはかなり厳しい。
 昨日、弱弱しい声でお金を恵んでくれ、と乞われたことを思い出した。通り過ぎた後、せめて優しく「悪いけど、持っていないよ」といったほうがよかった気がする。何も言わないで、そのまま通り過ぎたことを少し後悔する。僕は、犬の散歩中は一切お金をもって歩かない。その他の時でも、タイミングあった時やよっぽどあげようと思うような人でないとあげない。
 トンセンボウをし、脅すような男がときどきいるが、持っての他で絶対あげない。自分は寝そべったままで、呼びつけてお金をくれという人もいる。これも絶対あげない。しつこく、食い下がってくる男もいる。持っている荷物を気を付けながら無視する。女性の中には怖くなってお金を出す人間もいるかもしれない。
 知り合いの女性がストリートチルドレンにお金をせがまれ、あげようとバッグから財布を出したところ、財布ごと盗まれた、というはなしを聞いた。こんなことは滅多にないのだろうが、よっぽど注意しないと、せっかく良い行いをしようとしたのに、嫌な思いをさせられることがある。それ以来、彼女は絶対お金はあげないようにしているという。
 友人からお金は上げない方が良い、と忠告された。ストリートチルドレンにしろ、路上生活者にしろ、もらったお金で麻薬を買うケースが多く、お金をあげることはむしろ社会悪だ、というのだ。どうしても、あげたいなら、食べ物を買ってあげるべきだ、という。確かにそのとおりである。結局、今では滅多にお金をあげることはなくなった。
 武漢肺炎蔓延でお金を乞う人が増えてきた。僕自身も大変だ。こんなときだからこそお互いに助け合う必要があると思う。しかし、あげるなら、やはり、お金でなく食べ物のほうが良いと思う。

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