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南米漂流
     今日のブラジル 写真日記 (Photog...  (最終更新日 : 2023/01/16)
6・21 柴犬リン [画像を表示]

6・21 柴犬リン (2020/06/21) この頃、メニエル病(三半規管の病気、めまいやふらつきなど結構つらい)が発症しそうな感じが毎朝ある。散歩などをして午後になるとおさまるが、なんとも気分がよくない。一瞬、もしこのまま立つもことができなくなったらと思うとぞっとする。
 毎日の軽い運動やバランスの取れた食事や睡眠など、普段の健康には十分気を付けている。当然、メニエル病でなくても気をつけた方が良いのだろうが・・・。そんな訳で、毎日の散歩は欠かせない。つくづく、犬のリンがいてよかったと思う。自分のためだけであったら、散歩に行くことは、つい、止めることが多かったと思う。自分のためだけでなく、リンのストレス解消と思うといかざる負えない。
 最初、柴犬がサンパウロには少ないことに目を付け、繁殖をもくろみリンを購入した。しかし、自分には、犬工場経営のようなことはとうていできないと悟った。大枚20万円もはたき、大きな出費をしたことに一時は頭を抱えた。よく考えもせず、購入に走ったことを大いに悔いた。しかし、買ったものは仕方がない。虎の子のお金をはたいたことは物凄く痛かったが、もう、どうしようもない。思いつくと、よく考えもせずに動き始めるのは、僕の悪い癖である。このパターンで失敗することがいつも多い。とたんに生活はきつくなり、深く深く反省した。
 リンがうちにきてからは、長時間家を空けることができなくなった。おお鳴きする可能性があったし、ジジババ犬と喧嘩をすることが心配だった。はじめは2匹のジジババ犬がいるから大丈夫と軽く考えていたが、ミニチュアダックスフンドのジジババ犬とリンは気が合わなかった。リンは、自分よりも前からいるジジババ犬を尊敬し、彼らと仲良くやっていけると思っていたら大間違いであった。ジジババ犬は何度もリンに殺されかけた。ババ犬などは、舌がほとんど出っぱなしになった。そのたびに、リンを強くしかった。本当に苦労した。1歳を超えるまでリンの頑固さとふてぶてしさにはほとほと手を焼いたが、1歳を超えたあたりから、急に楽になった。言うことを聞くようになったし、僕を主人とみなすようになってきた。彼女には僕が怖い存在になったようだ。
 友人知人に「柴犬を飼うのは大変だよ」と言われたが、日本ではごく普通に飼われている犬種だし、これまで難しい犬だという話は一度もきいたことはなかった。実際、飼うようになってその大変さを思い知った。今まで、大学時代を除いてずっと犬が身近にいる生活だった。しかし、雑種や洋犬ばかり和犬は初めてだった。犬をちゃんと躾けし飼うことにはある程度自信があった。しかし、リンは子犬の頃から、今まで飼ってきたどの犬とも違った。洋犬は数度強くしかると、解ったものだが、リンは解ってはいるのだが、従わなかった。頭は抜群によく、うちにきた2日目で自分の名前を覚え、犬の便所を覚えた。これほど頭の良い犬は飼ったことがなかった。しかし、頑固で横着モノであった。叩いてもキャインと鳴き声を上げることはなかった。僕の目を盗んでは、小便や大便を隠れた場所にした。ちょっとやそっとの叱りでは、まったく効果がなかった。だいたいちょっとぐらい叩いてもまったく平気だった。激しく叱り、何時間も懲罰場所に居させて、やっと1週間ほど決められた場所にするようになるが、再び隠れた場所にしはじめる。これの繰り返しだった。ところが今では、僕が大声をあげ、ちょっと強く叩くとキャインと鳴き声をあげる。叱られる前に、さっとお仕置き場に逃げ込む。変われば変わるものである。今思うと僕のしつけの仕方が間違っていたのかもしれない。
 リンが1歳になる前に日本に行くことになった。息子にリンの世話を頼んだが、リンの世話は自信がないという。息子は物心ついたころから、いつも彼の傍には犬がいた。その息子が、リンは難しいと根をあげた。結局、犬ホテルに20日間頼み2000レアルもかかった。日本円で約7万円、大きな出費であった。
 YouTubeで犬のトレーナーが、「柴犬はもともと狩猟犬で難しい犬です。最近でこそ、大人しい犬選んで掛け合わせて、ペットとしての大人しい犬も増えましたが・・・」というのを見て納得した。やはり柴犬は簡単な犬ではなかったのである。
 思春期を過ぎたリンはやっと落ち着いてきた。できれば1度は仔犬を産ましてやりたいと思っている。

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柴犬リン。
なんでそこまで苦労して犬を飼うのか? と言われたことがある。犬が好きなのだろうね、としかいいようがなかった。


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