7・1 時の流れ (2020/06/30)
リオグランデドスルやサンタカタリーナ州の南伯で「サイクロン爆弾」と呼ばれる強い温帯低気圧が吹き荒れているらしい。ときには雨や雪までも伴うという。 そのニュースを読んで少し安心した。もちろん、これらの地方には多大な被害がでるだろうが、アルゼンチンから向かっているというイナゴの大群がこれでやってこれないと思ったからだ。イナゴの大群がやってくると、被害はサイクロン以上だと思う。穀物をはじめすべてのものが食い荒らされ、ただでさえ武漢肺炎で弱っているブラジル経済は、それこそたちあがれないくらいの打撃を受けるだろう。食物だけはそこそこあったブラジルが食料危機に陥る可能性もあるだろう。 まだ、どうなるかわからないが、とりあえずは少し安心した。 香港で国家安全維持法が可決されたそうであるが、ブラジルにもどっと中国移民がやってくるだろう。リベルダージ(東洋人街)周辺には中国人経営の店が急に増えていたような感じを去年末ごろから受けていたが、もしかしたら、随分早くから、こうなることを予想していた中国人がブラジルにやってきていたのかもしれない。これで、ますます、リベルダージからは日本人、日系人が遠のき、中国人経営の店がリベルダージに増え、東洋人街というよりは中国人街になるだろう。これも時の流れということか。 サンパウロに長年暮らし、リベルダージが日本人街と呼ばれていたころから知っている身としては、日本人経営の店が少なくなり、中国人街となるのは非常に寂しく、中国人に街を乗っ取られたような感じがして腹立たしい気にさえなるが、これも時の流れである。街は生きている、とよく言われるが、古い日本人の町としての殻を破り、中国人の町になるのだろう。 日本からきた旅行者が、「この町には昔の日本が残っている」と懐かし気な顔をして言ったものであるが、古き良き「日本」も失われていくだろう。いや、すで失われてしまったかもしれない。寂しいが、大きな時の流れは誰にも止めることはできない。
 | リベルダージ街は去年末あたりから中国系の店が増えている。 |
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