10・20 ブー犬から美犬に (2020/10/20)
柴犬リンは、そろそろ1歳半を迎える。もう、立派な成犬である。小さい時には強情で、顔にもそれがでていた。しかっめ面をした可愛げのない子犬であった。しょうしょう叱ってもまったく感じず、声をあげて鳴くこともない、子犬らしからぬ可愛げのない犬であった。歯のないジジババ犬が噛んでもどこ吹く風、ほとんど気にもしなかった。そのしかっめ面の顔はでどう見てもブス犬であった。 それが、足をちょっと引っ張っただけでキャインと鳴き声をあげるようになった。そして、叱ると裏口の廊下に逃げ込むようになった。やっと、主人が誰かを認めたことを感じた。それ以来、ハチャメチャな性格が少しおとなしくなり次第に言うことを聞くようになった。 ブー犬であったみかけも、美犬になり、路上生活者から、同じ柴犬を飼う中高級住宅に住む人までがリンを見ると「まあ、リンダ(綺麗)」というほどになった。「みにくアヒルの子」「あばたもえくぼ」という感じである。 さすがに、リンダ、と言われると悪い気はしない。息子を褒められたときにもかんじなかった、くすぐったいようなうれしいような感情を覚えた。
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