10・24 微妙なお年頃 (2020/10/24)
今日フェイラ(青空市)で 「おじさん、パパイ(父)に電話すればいいよ」 ん!? 「おじさん」!!。 おじさんというのは僕のことである。おじさんと呼ぶ相手は30代の男性日系人。いつも買うテントではあるがそれほどの知り合いではない。おじさん、と言われて、ちょっとムッと、いや、かなりムッとした。他人におじさんと呼ばれることに、僕自身、まだ慣れていないのである。 「おじさんという言葉は使わないほうがいいよ。日本の日本人は嫌がるから!」 50代後半と言えば、日本でも立派なおじさんである。しかし、親戚や小さな子供に言われるなら納得も行くが、あまり知らない30代の男に言われていい気分の人がいるだろうか?? 相手側は僕の名前をしらないから、おじさんとよんだのだろう。多くのブラジル人は名前の知らない男性にたいして、教養のある人は、「セニョール(英語でミスターにあたる)」という言葉を使うし、無い人は「アミーゴ(友達)」「モッソ(男の人、男の子)」などと呼ぶ傾向にある。僕は、知らない人はできるだけ「セニョール」と呼ぶようにしている。 日系人は自分より若い人にも平気で「おじさん」という言葉を使う人が多い。おじいちゃんにおじさん呼ばわりされるのは、「ちょっと・・・」といつも違和感を感じる。しかし、多くの日系人は何も変だと思わず使っているわけで、今さら高齢の人に「おじさん」と呼ぶのは失礼になるから呼ばないほうがいいですよ、と言ってもしかたがないと思いそのままにしている。自分よりずっと年上のおじいいちゃんに「おじさん、おじさん・・・」と言われるのは違和感を感じてしまう。確かめたことはないが、「おじさん」=「セニョール」とおもっている? のかもしれない。 東京の友人などは、早くから自分の母や父のことを「○○さん」と呼んでいた。だから、友人の子供たちも、おじいちゃんおばあちゃんのことを名前で呼んでいた。僕の妹も、自分の孫におばあちゃんと呼ばせずに、○○ちゃん、と呼ばせている。 僕の周りでは、おじいちゃんおばあちゃん、おじさんおばさん、呼ばせていない人が多い。おそらく、僕がおじさん呼ばわりされるのを「ちょっとね」と思うように、おじいちゃん、おばあちゃん呼ばわりされるのがいやなのであろう。 おじさんは、おじさんだから「おじさん」と呼んで何が悪いと言われれば何も言い返せないが、ほとんど知らない、3,40の人におじさん呼ばわりされるのは、やはりいい気分ではない。微妙なお年頃なのである。
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