11・22 わがまま (2020/11/21)
昨夜はプロポリス入りのハチミツを舐めてくれた。当初、舐めたいなら、舐めな。 好きにして! と言うスタンスだったはずである。とにかく苦しまないで、と思っていた。それが舐める、とうれしくなり、「舐めてくれてありがとう」、と気が付かないうちに感謝する気持ちに変わっていた。それに気づいてはっとした。 ニンジャ(ジジ犬)が無理して生きなくても、とにかく苦しまないで「死ぬ」のが一番だと思っていたはずだ。それがいつのまにか「がんばっていきてくれ」に変わっていた。気持ちを元に修正した方が良いだろう。とにかく生きて苦しむくらいなら、死んで楽になった方が絶対いい、と思っている。ニンジャはほぼ人生(犬生)をまっとうしたのだから。途中で命を絶つのとは訳がちがう。でも、本当はできれば、「僕のために」がんばって生きて欲しかった。それは、僕の我がままだということは解っている。 その夜、ニンジャの好きなゆで卵を作った。臭いを嗅いで(ほとんど臭いは感じないだろう)食べ始めた。一安心した。これで大丈夫だろう、と思った。とにかく何も食べなかったら体力は落ちていき、それこそ死ぬだけだろうから。食欲が出始めたということは大分体力が戻り始めた証拠である。 本当は犬猫病院に連れていくのが一番いいのだろうが、僕にはその余裕がなかった。それに、注射や点滴をして無理に生きさせるのは嫌だった。なにより医者は信用できなかった。 次の朝、同じように卵を茹で食べさせようとするが、「いらない」という風に横をむくのみであった。3回試みたが3回とも同じであった。「ああ~、お願いだから食べて!!」しかし、無理はする気はなかった。せめてマッサージをして気持ちよくしてやろうと、このまま逝くならそれも仕方ないだろう、と思った。 もう一度だけ卵をやってみると、少し舐めた。アズミ(ババ犬)が横に着て一緒に食べ始めるとそれに刺激されたように、急にガツガツ食べ始めた。良かった~。ほんとうに嬉しかった。毎食、ジジ犬の食欲に一喜一憂している。 まだまだどうなるか分からない。予断は許されない。もちろん、少しでも長く生きてくれるのはうれしい。しかし、苦しまず逝くのなら、それが一番だと思っている。
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