3・3 見知らぬ人間を近くに寄せるべきではないという習慣 (2021/03/03)
犬の散歩をしていると、よれよれの服を着た路上生活者の男性に時間を聞かれた。残念ながら時計も携帯も持ってなかった。申し訳ない感じで「ごめんなさい、時計を持っていないから、わからない」と言った。その場を去ろうとすると、さらに彼は、「だいたい何時ぐらい?」と言いながらさらに近寄ってきた。近寄ってきたので一瞬びびった。時間を聞くふりをして突然強盗にかわることがよくあるからだ。 「何も持っていないと言ったらないよ」と大声で怒ったように僕は言った。すると彼は「気の短い日本人だな・・・」とつぶやきながら、止まった車に乗っている女性に時間を聞いた。「10時よ」と女性は言った。それを聞いて、まさか10時ということはないだろう。と思った。僕が家を出たのは8時半だからまだ10時になっていないと思われる。男を追い払うために適当な時間を教えたのだろう。男は時間を聞き、満足したのか、トボトボと行ってしまった。 ちょっときつい言い方をしてしまったな、と反省した。彼は本当に時間をしりたかっただけなのだ。近寄ってくる人間を誰でも強盗だと思う癖がついてしまった。 しかし、言い訳かもしれないが、それも仕方がないことと言えば仕方がないことだと思う。時間を聞く振りをして、近くによって、突然、銃を見せてきた強盗にあったり、路上生活者にお金をあげようと財布出したところ、その財布をひったくられたり、したことがあったからだ。逆に僕が道を聞こうと老女性に声をかけたところ、倒れんばかりに驚き、後で散々ブツブツ言われたことがあった。 そんな経験を積み重ねているうちに、見知らぬ人間を近くに寄せるべきではないという習慣がすっかり身に沁みついてしまった。 ブラジルに来たばかりの頃、先輩移住者に「ブラジルでは走ったり、人を驚かすような動きをしちゃいけないよ。強盗にまちがえられるから」と言われたことを思い出す。確かにモノをひったくる泥棒や、ものを盗んで必死に走る強盗を何度かみかけたことがある。後ろからバタバタ走ってくる足音をきくと、どっきっとしてしまう。そして、この先輩移住者の言葉を思い出してしまう。 身を守るためとはいえ、初めから人を疑う癖がついてしまったことは悲しい。
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