小さいころからそれほど食べることがすきでなかった。大の面倒くさがり屋で食べないで済むなら食べずにすましたい、と思う方であった。小学生の頃から毎年夏になると暑さで食欲が落ち、夏痩せをしたものである。大人になりよく食べる方になったが、自分で料理を作るのはないが手である。第一面倒くさい。どうせ食べるのは自分だからと思うと、超手抜きとなり、見た目もへったくれもなかった。そうなると、僕の作る料理はますますおいしくなくなった。 　今日はオムライスを作ろうと考えたが、チキンライスをつくったあとで卵をうまくかぶせなければならない。それが面倒くさくなり卵をスクランブルエッグにしトマトケチャップ炒めのご飯に混ぜた。どうせ胃の中はいったらおなじだろう、と考えたからだ。胃の中に入ったら同じ、なんて考えたら、見栄えの良い料理ができるわけないし、ますますまずくなるだろう。分かっているのだが、ついつい手を抜いてしまう。僕のような人間は料理人には向いていないだろう。 　しかし、最近、少しはおいしく食べようという気になってきた。いい傾向である。

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